第21話 神への一歩

 俺たちはラタニカ村を出発して、神聖の門へ向かうことにした。俺は最近誰かさんのせいで寝ていないので小さな息で「はぁ」と言った。確かに俺は多忙だな……。神域の事も、冥界の事も、現実の事も……。さすがに限界だけど目的地に早く行きたいと思っているレインは踏ん張って向かった。そこで、サラがレインに神の事を聞いてきた。


 「神って序列とかあるの?」


 俺は軽くうなずいた。そのことは俺以外詳しい人がいないのでサラとリリアに序列の話を楽しそうに教えた。


 「まずね、神には序列があるんだよ。その序列はもちろん実力で決まるんだ。まず、サラを拘束していた。【オストガロア】あいつは、下位の神だ。実際には神とはかけ離れているのだがね。そしてアイリス帝国を襲った、【イフリート】は、上位の神だ。上位の神からが本物の神の強さを持っているんだよ。そして天位の神だよ、天位の神に関しては詳細が分からないんだ……。唯一わかるとしたら、天理の側近だ」

 

 「ありがとう!!レイン、私も神に勝てるかな?」

 「レインさん、私も勝てますか……。?」


 二人は俺にすり寄ってきて上目遣いで問いてきた……。俺は心の中で「お前ら……。自らのスペックを知っていてこの攻撃か……。」と内心割とドキドキしてしまった。誰でもかなりの美人が急にすり寄ってきて上目遣いされたらドキドキしないのが不自然だ。


 「お前らなら倒せるぞ、お前らは俺の仲間だ。そして、誰も詳しくは知らない神の知識を今知った。これで神に一歩進んだね。ちなみにフィーネは上位の神だよ。」

 「そうなの!?!?」

 「すごいです!!」


 二人はフィーネの綺麗な髪をなでながら驚いた。そこで急に七王から一通連絡をもらった。「やばい……。ここで情報をもらったら確実に二人は混乱する……。先に謝るごめん。【催眠術式 睡眠ノ歌花すいみんのうたばな】」と。俺は三人を眠らせた……。


 俺は、自分のもとに七王第二席次【メリヘム】に来るように伝えた。伝えた瞬間俺の前に現れたメリヘムが重要な情報を話した。


 「主様、冥界組から一通の知らせが届きました……。読みます。『レイン様、我ら一、三、四席次は、冥界で貴重な情報を手に入れました。まずレイン様が行こうとしている神聖の門にはいかないでください。冥界神ヴァルキュリアは、事前にレイン様が門へ行くことを見越して。冥界ノ使徒を大量に送っています……。行くなら殲滅してからでしょう……。』と言うことです。」

 「ありがとうメリヘム、さて俺は殲滅したほうがいいのかな?メリヘム」

 「そうですね……。私たちは、冥界神と冥界ノ使徒との戦闘をしたことがないので先に情報を集めた方がいいと思います。」

 「ですよね~。」

 「メリヘムご苦労だった。」

 「っは!」


 さてどうしようか……。猛者と戦った二人とはいえ、俺達もあまり情報を知らない相手と戦うのは危ないし、三人を連れて行くのも荷が重すぎる。俺は考えたが、どういう理由で三人を置いていくか考えた、それはほんと考えた。


 「二人どうしたの?急に寝て……。」

 「何か急に睡魔がきて……。」

 「同じく……。」

 「はははっ。それは旅疲れだよ、三人は先にこの先にある村の宿で休んでおいてね。そこで今日は泊まる。」

 「レインさんは?」

 「そうだよ!レインもだよ!!」


 やはりこうなるか……。さて俺はどんな理由でその場しのぎをしようか……。


 「ごめんな二人とも、俺は少し事情があるから少し出てくるな」

 「レイン、嘘つかないで……。」

 「そうですよレインさん……。」

 「え……。なんで?」

 「私たち、実はあらかじめ私の神聖魔法で術を弾いていたんです。弾いていたけど術式が強すぎて話の内容までは聴き取れなかったですけど……。」


 リリアはやはりサポート適性があるな……。サラも気合を感じる。これが知られたからには、もう言い逃れはできないな……。


 「分かった、なぜ一人で出ていこうとしたか教える……。」

 「はい」

 「はいなの」

 「俺の知り合いから一つ情報が届いたんだ、神聖の門に行くなとね……。その理由は今俺を探している【冥界神ヴァルキュリア】の冥界ノ使徒の仕業で神聖の門に近づいたら大量に冥界ノ使徒が出てくるというトラップが仕掛けてあるらしい。」

 「それは……。」

 「俺はこれを解決したい、でも冥界神は天位の神らしい。今まで倒してきた神よりかはるかに強い。そのうえ、冥界の事も知らない……。情報不足な上に二人を連れて行くのは危険すぎる……。だから俺は二人を置いていこうとした。」 


 俺は、すべて二人に話した。これで収まってくれればいいが……。今回は本当に連れていけないからな……。


 「分かりました……。その代わり負けないでくださいね!!!」

 「レイン、がんばって負けないでね。」

 「あぁ任せておけ」


 俺は本当にいい仲間を手にしたな……。俺はもちろん負ける気はない……。だが緊張もする。冥界とはどのような場所なのか、とにかく気になるそして、俺達を邪魔するものなら容赦なく殺す。


 俺は直ちに、七王を呼んだ……。


 「お前ら、緊急任務だ!!」

 「っは!」

 「七王ならびに、俺は冥界に侵入し。邪魔をする張本人。【冥界神 ヴァルキュア】を最消滅対象へ、移行する。誰も死ぬな……。」

 「まかせておいてください旦那!」

 「我、やっと暴れれる」

 「僕たち楽しみだ!」

 「いくぞ!!!」


 そして俺達は、冥界の門を開き冥界に向かうことにした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る