第19話 不思議な感じ

 「おい、入ってこい」


 部屋の一室から大きな声で呼ばれる。


 「冥界ノ使徒めいかいのしとよ、冥界の者を使ってよい。レインアングロスを止めろ。」


 俺は今、神界ではかなりの有名人らしいな。上位の神がやられ、しまいには天位の神まで殺せてしまう神人もやられた。俺は元々神々を信じていない……。信じて……いないのさ……。


 今の俺には二人がついている。この二人は絶対に殺させはしない。俺たちの次なる目標は神聖の門だ。帝国に流れている不穏な気配とかは、すべて七王に任せたからそちらは安心だ。だが一つ気になることがある。


 この二人……。先の戦いからなんかもっと俺に甘えていないか?。


 俺たちは目的地に行く最中、いろんな村を訪れては情報を貰ったりしていた。そこでいくつか有力な情報が入った。一つ目は神聖の門の内部の情報だ。


 神聖の門の外見はすごく神秘的な白色の門で長さが30mぐらいあるらしい。神聖の門の内部にはいくつかの女神の恩恵を受けれるらしい。そこには天理の対策に必要な恩恵もあるとかな……。


 試験は神と戦うことだ。どのような神と戦わないといけないのか……。でもいい機会だ、俺と縁のある神なら尚更殺したくなるな……。


 「レイン~、おなかすいたここで一泊どうなの?」

 「確かにここはきれいだな。ここら辺で一泊するか……。」

 「レインさんじゃあ私は、お料理してきます。」

 「リリアできるのか??」

 「お任せください!!」


 俺は料理ができる時間まで暇なのであたりをぶらぶらしていたところにまた頭の中で奇妙な声が聞こえる


 ――やはりだめです!!。こんな子供を……するなんて……。――


 「サラ!!!」

 「ん?な~にレイン!!」

 「嫌、なんか変な夢を見ていた。すまない……。」


 プラノスアイリス化は自由にできるようになったとはいえ、やはり完璧な状態にはまだできない。この声は転生の女神サラ様の声なのか……。俺はもう一度会いたい、転生の神サラに……俺が唯一信用している女神だ。サラを殺すように仕向けたのは誰だ……。


 「二人とも昼食できましたよ~。今日のメニューは、ドドイノシシの野菜たっぷりホワイトシチューです!!」

 「私、お野菜嫌い……。」

 「だめですよ~サラさん。ちゃんと食べないと~。し……か……も、全部食べたらレインさんの血を吸わせてあげます!!」

 「っておい、何言っているんだリリア!!」

 「おい、サラ吸わせないからな……。そうだ、サラ血が吸いたいなら……。そこの目の前に居る美人のエルフさんの血を吸ったらどうだ?」


 俺はサラにそう提案した、サラは喜んで「実はリリアの血も吸って見たかったんだ~」と言いながら昼食を完食し、リリアの血を吸いに行った。


 「リリア~、準備はできたか??」


 サラは舌なめずりをしながらリリアにすり寄った。


 「いっや……。ちょっとまってぇ~」

 「ガブ」


 リリアは足の力が抜けて倒れてしまった。リリアはほっぺを赤くしてトロ目になっている。


 「ちょ……やめ……て~。やばいです……変な気分になる……。っあ……」

 「あの~リリアさん……あまり変な声を出さないでもらっても良いですか?」

 「そ……んな……ことで……きま……せん……」


 サラによる、血を吸われる罰ゲームはこれにて終了した。リリアは息をあげてずっと「はぁ~、はぁ~」と言っていた。


 「サラさんひどいです……。このかよわい乙女にそのようなことを致すのは……。」

 

 俺は笑った。(何言っているのだ、影縫と戦ったお前たちがかよわい乙女

か……。)


 それはさておき、いきなり神聖の門に行くのは危険だな。どこか近い村で休めないかな?。俺はそこでラタニカ村と言う村を発見した。ここわ神聖の門から大体1時間ぐらい離れている場所だ。環境もいいし、民度もいい。ここに泊まるか……。俺は、ラタニカ村の村人が話していることを遠くから盗み聞きした。


 「最近、アドルド王国が襲撃してこないわね。」

 「昔は週一で子供をさらいに来ていたのに、今は平和だね……。」


 アドルド王国に関して村人は話していたのだ。まだ俺の正体を明かすのはもったいない。もう少しこの村が危なくなったら正体を明かすか……。


 俺たちは夜になるまで暇だったのでラタニカの周りの森を探検していた。俺たち一応冒険者なのに冒険者らしいことしていなかったから、たまにはこういうのもいいな。俺達が冒険を満喫していると、遠くから微かに少女の声が聞こえた。なんだ魔物に襲われているのか……。俺たちは即座に声が聞こえる方に走った。


 「あいつはホワイトウルフか、戦えない子にホワイトウルフは怖いよな。ここに1体いるならどこかに10体隠れているな。まぁいい殲滅する。」

 「リリア、少女に結界魔法を貼ってくれ」

 「わかりました。」

 「サラはホワイトウルフをおびき出せ!!」

 「はいなの!!」

 「いくぞ!!。【線撃 雷鳴稲光せんげき らいめいいなびかり】」


 俺は、アルハードから得た技で、一太刀でウルフたちを切り刻んだ。


 「君、大丈夫か?。一人でこんなとこ危ないよ。早く帰りな……。」

 「わかった。」


 俺はそこにいた少女に見覚えがあった。なんだろう懐かしいような……不思議だな……。


 

 

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