第16話 王国襲撃その3

 「レイン死んでくれ。俺が剣魔の力を頼ったのは、神との戦い以来だな……。それでも神には勝てなかったけどな~。」

 「そうなのか、剣魔状態になるのは久々なんだね。じゃあとりあえず力を見せてもらおう、アルハード。」


 アルハードが俺に向かって漆黒のオーラを纏いながら攻撃しに来た、それを俺が防いだのだが、さすが剣魔状態だな……。さすがに俺は吹き飛ばされた。


 「やはり強いね剣魔状態は。」


 俺は何か面白かったのだろう、笑いながらアルハードに言ったのだがそれがアルハードの逆鱗に触れたのか怒りをあらわにした。


 「レイン、お前は人をなめすぎだ……。落ちこぼれ風情が調子にのるなよ。」

 「本当の事なのになぁ~。」


 俺は、今わざとアルハードを挑発してる。俺はもうアルハードに勝てるビジョンを見つけたからだ。それは……。

 さっきアルハードは剣魔状態の自分でも神には勝てなかったと言った。でも俺の隠された力を使えば、神は余裕でほふれる。


 俺がプラノスアイリスになればすぐにでもこいつを片付けれる……。ここで使っていいのか……。でもこいつよりガードはとても強いだろうプラノスアイリス状態に慣れてないとまずガードには意味ないだろう。俺は決心した。


 「アルハード……。お遊びはいつ終えたらいいのだ?」

 「貴様何を言っている。」

 「つまりアルハード、君の負けだ。」

 「お前調子に乗るなよ……。【線撃雷鳴の術せんげきらいめいのじゅつ 奥義電光石火おうぎでんこうせっか】死んでしまえ!!」

 「権限せよ、かつての力を開放する。」

 「なに?かつての力だと……。その術式……。お前まさか……。」

 「そうだよ、我が真の神殺しプラノスアイリスその本人だよ。」


 俺はアルハードに正体を明かした。明かしたついでになぜ俺が影縫に居たのかも話した。すべてを聞いたアルハードがもう負けを認めたのかその場で殺すように俺に頼んだ、俺は自分から降参をしたことで、気分がよくなったのだろう。最低限配慮して【破壊術式 絶死絶命はかいじゅつしき ぜっしぜつめい】を使った。


 一方リリア班では。


 「さっきから何なの!!」


 次々とリリア班の隊員が倒れてしまう。リリアは、初めてのことですごく焦っていた。

 

 「確かレイン様はこのような時こそ落ち着けとおっしゃっていた……。落ち着くんだリリア。リリアはできる子、倒れる原因を解明するんだ!あっそこだ!!」


 リリアは、ほんの少し山の木の陰が光ったのを感知した。


 「でも、なんか嫌な感じがするよ……。今までとは雰囲気が違う感じ……。」

 「【陰術 雲隠れ乱れ撃ちいんじゅつ くもがくれみだれうち】」

 「【神聖魔術 天使の盾しんせいまじゅつ てんしのたて】」

 「君、そこそこやるね……。不意打ちのあの技を、一撃も食らうことなくすべてを守った。君いいね」

 「誰ですか?」

 「我は、鷹ノ目のウエスタン、君たちが探している影縫のメンバーその人です。」


 リリアはあまりのオーラを纏っている、ウエスタンを前にして尻込みしそうになっていた。リリアは肌で感じている、格上の存在に立ち向かう怖さを……。


 一方レインは……。


 ったく、とりあえずプラ化は、解除しておこう。俺は本部に戻っている最中にサラに会った。サラに今の状況を聞くと、動音ことだまはサラが討伐をして。線撃は俺が討伐との情報が流れている。リリアの状況はまだ誰もわかっていない。


 「サラ、先に本部に戻っていいよ、俺はもう少し探索をする……。」

 「レイン、私も連れて行ってほしいのです!!」


 そして、レインの元へサラが来る途中レインが何かを察して大声でサラに言う。


 「こっちにくるな!!!左周りにかわせ!!」

 「わかった!」


 その瞬間爆音と共に砂埃が舞った。俺は少し予想はしていたけど……。この威力この破壊力やっぱりお前は一流だな。全能のガード……。


 「サラこいつはお前に敵う相手じゃない。にげろ!!」

 「でも……。」

 「いいから逃げろ!!」

 「ははは、会って数十秒でお別れとは、少し悲しいぞ……。レイン。」


 ガードは俺が影縫にいた時も顔を合わせてくれなかった。だからガードの顔を知っているのは国王ぐらいだろう。この国の最高防衛ラインだからなぁ~。


 「レイン、お前に何も恨みはないだが命令でお前を殺す。俺はお前の隠された秘密をすべて理解している。プラノスアイリス様よ……。」


 「ったく、知っているのは話がはやい。」

 「権限せよ、かつての力を開放する。」


 俺の髪はたちまち、白くなり俺の纏うオーラが変わった。


 「そうだよレインそれでいい。」

 「確かにこいつとは分かり合えそうだ。」

 「全能開花 視覚、聴力、攻撃力、守備力、俊敏力限界突破」


 ガードは全ステータスをアップさせたのだ。俺は大体は予想していたのだが、これほどとは、思ってなかったな。ダメ押しで仙術を使ってみるか……。


 「【仙術 刃祖せんじゅつ はそ】」


 刃祖がガードに完璧に命中したのだが、ガードは微動だにしない。俺の刃祖を食らってもこれとは……。見事だ。ガード以外のものが食らったらひとたまりもないだろう。


 「さて俺も一発あげるか。【バックグランド】」


 両手を思いっきり地面にぶつける。地面は揺れ、割れた穴から大量の溶岩が噴出した。

 

 「ったく、お前の技は一つ一つ災害級だな。」


 その衝撃は本部にいるエルメス王にも感じた。


 「なんだこの揺れは……。」

 「エルメス王、レインが……。いま最高戦力者のガードと戦っているの……。この攻撃もガードのものだと思うの……。」

 「レイン殿、くれぐれも死なないでくれ……。」

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