第14話 王国襲撃その1

 「エルメス王、ここ一体の地図を出してくれないか?」

 「はい、これがアドルド王国までの地形地図です。」


 俺たちは今、エルメス軍の指揮官1人、幹部10人、そして俺たちと、エルメス王で戦略会議をしている。


 「レインさん、とりあえずどこから攻めればいいでしょうか。何か知恵を借りれませんか?」

 「僕が今考えている作戦は、【一気に壁破壊突撃大作戦】です。これはふざけているわけではありません。まず皆様も知っている通り、アドルド王国の強みは、籠城戦です、つまり王国全体の守りが硬いのです。僕はそれを殲滅魔術せんめつまじゅつの【漆黒ノ扉ダークホール】で壁だけを破壊します。そうしたら全方角から、王国内に攻め入ります。」

 「確かにその作戦は良いのだけど、ほかに安全な策はないものですかね?」


 幹部たちは俺の作戦を否定している人が多かった。だがサラとリリアが助けてくれたのだ。


 「皆さん、まだ皆さんに教えていなかったのですが、時間を掛けて攻め入るのはリスクが高すぎるのです。」

 「なんでなんだ?早すぎるのもリスクが高いと思うのだけど……。それを越す理由があるとでも?」

 「あるのです!!」

 「そう、二人が言っているように、アドルド王国には最終兵器があります。それは……。かつて僕が所属していた、最強冒険者パーティーの影縫かげぬいの存在です。正直この影縫がいるかいないかで、作戦が変わります。僕はできるだけ、皆さんには影縫の構成員にあてたくないのです。」

 「その影縫は、どれぐらい強いのじゃ?」

 「正直に話すと、リカバリエ軍を相手にしても一人で壊滅させるぐらいには、強いです。残念ながら……。」


 俺は、過去の因縁もある……。だからこそあいつらの強みを知っている。俺は皆を自分の復讐のために傷つけたくないのだ。正直この戦いで相当被害がでる。多分だけど、サラ達も死ぬだろう……。だからこそ俺は、自分だけの作戦を立てていた。


 当日俺は城壁をすべて破壊し、皆と解散し、一人で影縫のところまで行き、一人で影縫を倒す、今の俺の実力なら100%勝てないことは、分かっている。だが、俺は少しずつ神殺しだった頃の記憶が蘇っている。だから、一発チャンスだが天理と戦った力。神装武装化しんそうぶそうかをさせる。正直これは成功するかは分からない……。


 一方王国では……。


 「アドルド王、我ら影は新たな情報をつかみました……。」

 「それは何じゃ?」

 「リカバリエ軍が近々我らアドルド王国に攻めてきます。」

 「なんじゃと!!戦力はどれぐらいか影よ。」

 「戦力はおおよそ、東に1万、西に1万の計2万だと……。」

 「そんなもので我ら王国を落とせるとでも……。影縫には別に連絡をしなくていい。」

 「ッハ」


 俺は情報をかく乱していたのさ。多分今頃は影たちは偽の情報を教えている事だろう。東に1万、西に1万の計2万てね。俺が影縫のメンバーであることも忘れたのかアドルド王は……。


 「皆今日は、よく休んでくれ。多分明日の襲撃では、初日は影縫はこないだろう。影縫を使うのも金が高い……。だから王は自分で守ることを選んでると思う。俺が偽情報を渡したからな……。みんなおやすみ。」


 俺は皆のために、あたりを警戒して近くの湖で黄昏ていた。そしたらサラとリリアが俺の元へ来た。


 「レイン様、大丈夫ですか。寝れませんか?」

 「レイン、私たちはうまいことやるから安心してなのです!」

 「そうだな……。お前らは確かに会う前よりかは、100倍強くなっているのだが。俺はお前らを死なせたくない……。どんだけ強かろうが影縫は人間離れをしている。プラ化した俺で戦えるぐらいには……。」

 「レイン様、私達の為に命を貼ってくれてありがとうございます。私は感謝しかないです。奴隷商から買い取ったあの頃はレイン様のことも怖がっていました……。だけど今はレイン様が大好きです!」

 「サラもそうだぞ!オストガロアから救ってくれた時のレインはかっこよかったよ!」

 「ったく……。お前らってやつは。じゃあそんなお前らにこれをあげる。」

 「これは?」

 「それは、死にそうになった時に使え。お前たちを救ってくれる。」


 俺は二人に、魔法のスクロースを渡して、テントで寝た。


 襲撃当日


 「皆昨日はよく眠れたか!」

 「おぉぉぉぉぉぉ!!」

 「士気は高くなってきているな。上出来だ。みんな死ぬな、そして勝て。」

 「まず作戦通り、僕が城壁を完全崩壊させる。」

 「権限せよ、常闇の王、漆黒の力を今借りる。【殲滅魔術 漆黒ノ扉せんめつまじゅつ ダークホール】城壁を破壊せよ。」


 俺は殲滅魔術のダークホールを使い、爆音と共に城壁を破壊した。もちろん王国内は大混乱それは、国王も同じだ。


 「お前ら、誰一人残さずに殺し尽くせ。あいつらは闇そのものだ!」

 「おーーーーーー!!!!!!」


 俺たちは勢い良く王国内に攻め入った。俺は別行動で王国内にある全ギルドを潰し回った。


 「こんにちわ……。覚えてるかな?僕の事……。」

 「おまえはだ……。グッハっ」

 「そこのお前とまれ!新天切り!!ぐっはっ」

 「僕の邪魔をしないでくれるかな~、僕は今楽しいんだ。」


 俺は、昔借りがあったギルドを知っている限り潰しに行った。俺は、遠隔監視魔法を使い皆の偵察をしていた。


 「皆ちゃんと暴れているなぁ~、だってなあんなことされたからキレているのもわかるよ。俺もされたからね。」

 「じゃあお前も消えようか?」

 「うぅ……。」


 そして俺はたどり着いた。影縫の所属しているギルド【アビス】に。ここも俺のことを可愛がってくれたところだ……。恩を返さないといけないな~。


 「【破壊術式 終末ノ目はかいじゅつしき アイズ】」


 これも久しぶりに使うな~。この技使うとあたり一帯溶けるからな~。ここのギルドも恩を返したし。さてみんなと合流するか……。


 「うっ。なんだこの雰囲気は……。上か!!」


 俺は緊急回避をして、上空からの雷撃をよけた。


 「おー!久しぶりだな!!落ちこぼれ君……。」

 「お前は、アルハードか……。面倒だな……。」

 「落ちこぼれ君は、なぜここにいるんだ~」


 嘲笑いながら俺に問いてきた。


 「アルハード、俺はお前を愛しているんだよ。愛しているからお前は俺を殺そうとした。そうだろ?」

 

 俺は、そう言いながら雰囲気が殺戮モードに変わり。それを察したのかアルハードも武装状態になった。


 「お前、とうとう気持ち悪くなったのか?」

 「そうかもな~俺は、今は誰も信じてないかもしれないなぁ~。お前を殺すことができればこの病は治るかもしれない。」


 俺はそう言いながら線撃のアルハードと戦うことになったのだ。

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