第9話 本物の神 イフリート

 「やっと来たか……。レインアングロス。待ってたよ。」


 俺は今、昔と同じように神の前に立ち、神を相手にしている。


 「おい、イフリート。お前はなぜ帝国を襲った?」


 レインはイフリートに質問したが、イフリートは嘲笑いながら答えた。


 「俺が帝国を襲った理由だと?そんなもん決着だよ。俺はかつて6000年前、 お前にやられたからなぁ~。あの頃は天理様に怒られたよ。だから今ここで決着をつけるため、帝国を襲って、お前を呼び寄せたまでだ。簡単だったな~、お前何も変わってないからね。」


 俺はいつの間にか音速のスピードと爆音と共にイフリートの首を狙った。


 「死ねよ、イフリート」


 「死ぬのは君だよ。【燃焼術式 地獄ノ閻魔ねんしょうじゅつしき じごくのえんま】」


 なんと、イフリートが最初から術式魔法を撃ってきた。記憶はないがこれはまずい。イフリートの地獄ノ閻魔で帝都の半分が燃え尽きた。レインはいったん距離を置き、そのままカウンター魔法を放った。


 「権限せよ、【攻撃反射アンチ】」


 俺はカウンター魔法を使って地獄ノ閻魔の技をイフリートに返した。イフリートは、体の半分を失ったが神の力ですぐに再生した。俺は懐かしく思った、久々神と戦える喜びを。


 「確かにお前は強い。だが【燃焼術式 業火ノ焔ねんしょうじゅつしき ガルク】」

 

 これ、俺じゃなかったら死んでたね……。炎の球体が100個ほど追尾してくるな。少しめんどい。


 「【死ノ宴まつり】」


 俺はそのまま技をイフリートに放ったのだがなぜか。弱体化をしない……。死ノ宴は、自分の生命力を触媒にして相手の能力値を極端に下げる。あいつと俺の体積はさほど変わらない。


 「レインよ、お前は早く全力をだせよ。」


 レインは無言でイフリートと剣術勝負をしかけた。


 「神殺しさま、強すぎる、あんな神相手にこれかよ……。」


 ほかの冒険者の声も温かいのだが。少しまずい、この俺、嫌僕が押されている。だと、イフリートの剣捌きもすごいな。剣と剣がぶつかり金属音が周りに響く速すぎて火花もでている。


 いったん距離を置こう。


 すぐさまレインはイフリートから離れ術式を発動した。


 「【破壊術式 目ノ終末はかいじゅつしき アイズ】」


 イフリートの体がどんどん浸食されている。漆黒の霧が帝都全域に広がる。お前は僕にはかてないよ。


 レインが剣を振り上げた瞬間、イフリートが大爆発をした。レインは遠くに吹き飛ばされ。動かなかった。


 今何をした。


 「レインよお前は強いから教えてやろう。あれは【大噴火】固有魔術だよ」


 イフリートは余裕そうに説明をした。でもレインは真の神殺し、そんなものは事前に知っていたんだ。


 「お前アホだな……。俺を誰だと思っている?なぜ見破れないと思った。俺は真の神殺しだぞ。」


 「お前本当はしらなかったんだろ。俺の固有魔術」


 「あれは演技だよ」


 「なにっ!!まぁいい、俺はまだまけてないからねぇ~。【烈火術式 爆炎れっかじゅつしき ばくえん】」


 轟音と共に強い青い炎であたり一面を焼き尽くした。


 「イフリート、お前の弱点属性は炎と闇だろ。」


 「なぜそれを知っているんだ!!」


 「さあね」


 俺はそのまま爆速でイフリートの周りを移動しながら切りつけた。それは常人では見えない領域だ。俺は爆速で動くと青く見えるといわれたことから、俺はこの技を、彗星とよんでいる。


 徐々にイフリートの体は傷つき、手足もボロボロになり始めている。このまま切ればかつ実に勝てる。そう思ったつかの間。イフリートは眷属召喚をした。


 「ったく、こいつはサキュバスかなにかか……。」


 レインの周りに炎を纏った魔物たちが数千体襲い掛かってきた。


 これは面倒だ一斉殲滅するのは、良いんだけど……。もったいないなここはいったん下級魔法で対処するか。これは俺も少しは本気を出さないといけないのか……。


 「権限せよ。理をも破壊する。つるぎ理滅剣りめつけん プラノスアイリス】」


 イフリートはこの理滅剣でもう一瞬だな。さらばだイフリート……。


 そのままレインの漆黒の理滅剣プラノスアイリスで一刀両断した。だが何か様子が変だ確かに、切った。何かを悟ったレインはすぐに防御魔法【アンチテーゼ】を唱えた。


 「レインよ俺はまだ負けてはいない、俺の名は業炎イフリート。これが神の力だ……。【神機解放 焔王しんきかいほう ファイアキング】」


 ものすごい威力だ。やばい……結界が持たない。


 あたり一面に炎のサイクロンができて帝国とレインに襲う。レインは上位結界の【リヘナラテーゼ】を放ったけどこれでも防げない。


 俺の力は戻ってない。だからやはり、破壊術式を使わないといけないのか。これは最善策では無い。これはメリットの割にはデメリットの方が大きい。だがこれを使えば必ず勝てる。でももう二人には会えなくなるかもしれない。


 「イフリートこれから逃げることはできない。お前は終わりだ。【最終破壊術式 死ノ冥土門さいしゅうはかいじゅつしき デスゲート】」


 イフリートの後ろから、血濡れた門が出てきて不穏な笑い声と、ともにイフリートを飲み込んだ。


 「終わったのか……。俺もこれで終わりか……。」


 死ノ冥土門の反動がレインを襲う。体中から血が出るそれを門が吸い込む。血を吸い込まれてレインは長い眠りについた。


 「レインおきてよ!レイン。」


 「レイン様お願いします……。起きてください寝坊ですよ。」


 「レインまた遊ぼうよ……。」


 「っう、ここはどこだ。俺はなぜ生きている?ここは天国か、俺は神を殺しているから地獄だと思ったよ。今頃二人は元気にしているかな?」


 「って、ここ現実だよ!レイン!!」


 「レイン様はお寝坊さんですね。今夜私のベットで寝てくださいね。エルフの村に伝わる秘伝のマッサージをいたしますよ。」


 「リリアお前エロいことする気だろ!!」


 「リリアさん……。普通のマッサージでお願いします。俺別の意味で死んじゃうよ……。」


 何気のない会話で今日は終わった。一方神界では、


 「天理さますみません。私が送った炎神イフリートが敗北しました。私の失態です……。なんでも罰は受けましょう。」


 「いいのだ。冥界の神ヴァルキュリア。レイン事プラノスアイリスは、私と互角になった相手だそこら辺の神では相手にならなかったのだろう。」


 「奴は私が止めてみましょう。天理イブルシファー様」


 



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