第5話 白髪少女の決意

 炎神イフリートの情報を集めるべく帝国内で聞き込みをしているレインとサラ。

それはいいのだが……サラって俺のこと好きなのか?。


 確かにサラは体格も顔も可愛い、だけど俺たちはそういう関係ではないからな……。


 「サラどこか行きたい場所あるか?」


 「私は少し日用品を買いたいのです!」


 レインはサラの行きたい場所、雑貨屋に出向くことになった。


 「雑貨屋はここか。」


 俺たちが来た場所は帝国でも名高い【雨界商会うかいしょうかい】だ。店内に入ってみると、確かに店員の接客が上等だ。


 「あらあら、こんにちわ雨界商会アイリス店へ!。今日は何をご所望でしょうか?」


 「あら、可愛いお嬢様ですね!。顔の出来といい、体の体型といい。すごくベストですね~。」


 と担当従業員は、ほめ倒してきた。いやこれはたぶん本音だろうよ。


 「すまんが、その子に似合う服を見繕ってくれ」


 「ご予算はどれぐらいでしょうか?」


 「う~ん大体、聖金貨2枚ほどかな?」


 担当従業員は、驚きながら店長を呼び俺たちはVIP待遇となった。


 「お嬢様はこちらにて、サイズを測らせてもらいますね」


 ――おいおい待て。カーテンの隣に俺がいるんだぞ……――


 「バストは……Dですか!!この体型でD!!うらやましいのもほどがありますよ嬢様。うわ形もいい。まさしく天使のようだ」


 ――おい、やめろ生々しい――


 「旦那さま、終わりましたよ。ほら可愛いですよね!!」


 レインは目の前の天使をみて唾を飲み込んだ。明らかに別格の風格なんだこの子はどこまで俺を変にしてくれるんだ。


 見繕いが終わりその後、お菓子やシャンプーなどいろいろ買っていたらもう夕方だった。そして夜になった。


 奴隷商は、夜にしか開かないもので。薄暗い夜闇の中レインとサラは、歩いていた。奴隷商は青と白のテントだった、かなりでかい。そのまま俺たちは中へ入った。


 そしたら、中から口髭を生やした陽気そうなおじさんが出てきた。


 「いらっしゃいませお客様。今回は何をご所望でしょうか?」

 

 「どんな奴隷がいるんだ?」


 とレインが聞いたらどんどんと奴隷商は、話してくれた。


 「戦闘奴隷、メイド奴隷、お客様のご所望だったら性奴隷もいますぞ。」


 サラは性奴隷になぜか敏感だった。


 「性奴隷!?。買わないでほしいなのです!。レインにはわ・た・しがいるのです!」


 「おいおい、お前と一度も致したことはないぞ」


 そのまま奥に進むにつれ。奴隷は凶暴になってくる。すごい檻の音、金属音がうるさい。臭いもケモノ臭がすごい。


 「おい、奴隷商ほかにはないのか?」


 「いえいえまだいますが、こちらは少しおすすめはしませんぞ。」


 「それでもいい、見せてくれ」


 レインは奴隷商についていき奥の部屋まで行った。確かに奥にいるのは。さっきとは格段に酷い状態の奴隷だ。


 「おいお前こっちをむけ。」


 レインがある少女の前で立ち止まり、話しかけた。

 

 「そいつは珍しいエルフだけど、今にも死にかけです。はずれですぞ。」


 レインはその少女に質問をした。


 「お前は何の属性の魔法を使える?」


 少女は今にも力尽きそうな声で静かに答えた。


 「氷……水……神聖」


 「奴隷商、俺はこいつを買う。」


 「お客さま。本気なんですか。死んでも知りませんぞ」


 「金はこれぐらいで足りるだろ。あと奴隷の首輪もいらん」


 そういうと白髪のエルフを抱えて。その場を立ち去った。帰り道レインはサラに金貨を渡して、上薬草と毒消し草とイワトビウオを買ってくるように指示をした。


 レインは宿に帰り少女を寝かした。数分後サラは頼まれたものを買ってきて。それをレインが調合した。


 レインは白髪少女の症状を完璧に理解していたのだろう。かなり手際よく調合をしている。


 「おそらくこの子がかかっている病は、【火炎病かえんびょう】だろう。

火炎病とは、主に水と氷の魔法を使える人物に感染する。その少女は火炎病と同じ症状だったのだ。


 「サラ、この子の服を脱がしてこの服を着させてくれ。ちゃんとタオルでふくことね」


 「はいなのです!!」


 レインは指示を出した後また夜闇の中を歩いて。城壁の上で黄昏ていた。


 「何だろうな。僕って、僕の昔は何なんだろう?。」


 レインは何かを隠しているのだが、本人自身も何を隠しているのかを知らなかった。レインが宿に帰ると少女は目を覚ましていた。


 「目を覚ましたか、俺の名前はレイン、こいつはサラ」


 「サラです!よろしくなの!」


 「君の名前は?」


 レインは少女に名前を聞いた。


 「私の名前は……リリアクロネ、リリアと呼んでください。」


 名前を知ったレインがリリアに質問をした。


 「お前はなぜ、奴隷商に売られたんだ?」


 その問いにリリアが答えた。


 「私は昔、エルフの村【リッカパーネ】と言う村に住んでいました。そこは、平和で事件がなく皆は平穏に暮らしていました。満月の夜急にアドルド兵が村に襲撃に来ました。私たちも応戦したのですが。相手は、神聖魔法を防御するアンチ魔法を唱えて、リッカパーネは滅びました。そこで私たちは奴隷に売られ。今に至ります。」


 おおよそを聞いてレインがリリアに提案をした。


 「俺は、俺の復讐をする。だけど今もう一つ復讐対象が作られた。お前は俺についてくるか?」


 レインの問いにリリアは元気よくうなずいた。


 「私はアドルド王国を許さない。私は強くなりレインに尽くす!!」


 「あぁ~、俺もだよ。俺は最弱をもってお前の最強を破る」


 「今日はもう寝よう」


 レインはいつものように目を覚めた。


 ――俺は何のためにいるのかな――


 「ん?なんか体に力がはいらん」


 レインが布団をどかすと、またサラが血を吸っていた。レインはサラをどかそうとしたがサラは動かない。これがまじでうごかん。これまじ。


 「サラさん?あの……そこ吸われるとまじでまずいんですけど……。あとめちゃくすぐったいよ?」


 そのタイミングで不幸にリリアも目を覚ました。


 「レイン様?何してるんですか朝から!!」


 「これはサラが勝手に!」


 「う~んおいしかった!」


 そんなごく普通の朝を過ごし朝食も食べ今後の話をし始めた。リリアの村は帝国から南の海を越えた場所。聖領域と言う場所にあるらしい。一応リリアにも俺のなすべきこと、神を殺すことも話した。リリアは、レインにとって耳寄りな情報を持っていたのだ。



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