閑話 口伝
かつて、異界から神を呼び出した者がいた。なんのためだったのかは、伝わっていない。
神は、この世界に魔力と混沌をもたらした。多くの者が犠牲になり、多くの者が呪われた。
この世界に混沌を生み出したその神は、邪神と呼ばれた。
かの邪神を封じようと、多くの人々が、血を流した。
多くの骸が積み重なり、多くの血が束縛となって、邪神に手が届いた。
邪神は、封印された。
滅することはできなかった。
封印された時、邪神の心臓は剣となった。剣は指輪に封印された。
邪神を封印した3人は、一人が指輪を、一人が邪神の書を、一人は封印の書を
それぞれの地に封じ、国を興した。
その地に人が満ち、満ちた人に指輪を書を抑えさせるために。
人の普通の生活が、凡庸な生活が、普遍的な生活が、矮小な力の積み重ねこそが、
異質な力を包み込むようにと。
そして、この大陸には3つの国ができた。それぞれの国は封印である。
邪神の書に剣が、心臓が戻らぬ限り、彼の者が再び現れることはない。
邪神の書と召喚の書が合わされぬ限り、異界への扉が開き、邪神が現れることはない。
召喚の書は、力なくば再び扉を開くことはない。
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