LV2「暗きものたちの墓場」・6
「うわああああっ!!」
突然、発狂したかのように
自分から言い出しただけあって、無駄に演技力は高かった。
数分前に、彼がグループ通話越しに話してくれた言葉が思い出される。
「おそらく、奴は知能を有してる。自身への脅威を察知するのも、戦闘能力が低いと思われる後衛に奇襲を仕掛けるのも、高い知性による行動といえるだろう」
だからこそ、その知性を逆手に取る。
その読みどおり、迫真の演技に釣られて、孤立した悪友の目の前に
「かかったな!?」
先程の爪を伸ばす敵に、三浦がニヤリと笑うと、その場所に透明化をし、待機させておいた二機のドローンが互いに繋いだ光線状のワイヤーを、
これが普通のワイヤーならば、すり抜けてしまうところだったが、レーザーワイヤーは見事に敵の不確かな身体を捉えることに成功していた。
さしもの感知力の高いボスといえど、自ら飛び込んだ先で姿を消していた
「やった!つかまえた!!」
歓喜する朝日奈さんに、捕縛された
その音が鳴ると同時にベルの中から、おどろおどろしいゴーストの群れが生み出されて、一斉に目の前にいた三浦へと襲いかかる。
「か……かはっ!?」
ゴースト群が、全て三浦の体内へと吸い込まれるように消えていくと、たちまち彼の顔が青白くなっていき、口から泡を吐き始めた。
「レイジ!!」
この
あれだけ、大量の
「あの……鐘を……止め……るん……」
絞り出すような声を最後に、三浦の身体は完全に消滅してしまった。あれが、このダンジョンでの“死”を表しているのか。
例え、現実世界で蘇生されると分かっていても、実際に生きてるところを見るまでは、素直に安心は出来ない。想像していた以上に、俺は動揺していた。
三浦を滅ぼし、
チリン!
短く一回のベル音、再び“あの
「……っ!?」
あれだけリアクションの大きかった朝日奈さんが、ガクガクと震えて、一言も声を発さない。三浦の死も相まって、彼女の恐怖もまた極限状態にまで達していた。
俺と月森さんが、周囲の
さすがに、自身が生み出したクリーチャーには警戒心を抱かないのか、亡霊群はそれを
あわや二人目の犠牲者かと思われた、その時……朝日奈さんの目の前で、亡霊たちは次々と消失していく。一体、何が起こったのだろうか?
すると、さっきのはぐれ骸骨兵が、いつの間にか
「シルエット・ツー……“
なんと、骸骨兵に化けて油断させ、
それにしても、一つ一つの変化が高性能すぎる。改めて、『七海アスカ』という冒険者の実力を痛感させられた。
「植村くん!今だよ……今度こそ、決めて!!」
頭上でグルグルと回転させた大鎌を、その勢いのまま月森さんが横薙ぎに振り払うと、俺と
友人を倒された怒りを
少し怖くもあったが俺は躊躇なく、その刃を標的に向かって振りかぶった。
【虚飾】が、【投擲】rank100に代わりました
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