LV2「暗きものたちの墓場」・4
「ひいっ!ガイコツ軍団!?」
「雑魚を呼び出す系のボスキャラか。ある程度、頭数を揃えておいて正解だったな」
正反対のリアクションを取る朝日奈さんと三浦。
そんな二人を尻目にして、アスカは冷静に指示を飛ばした。
「
その言葉に、俺はポケットに忍ばせていた
その様子を横目で見ながら、アスカが言う。
「それが、お父さんからの入学祝いってヤツ?
「うん。実戦で使うのは、初めてだけど」
「ユウトの剣術を見るのも、初めてなんだよね。んじゃ、お手並み拝見といきましょうか!」
ニッと笑う彼女と目線を交わすと、俺たちは同時に先頭を駆け出して、敵陣へと突っ込んでいく。向かってくる骸骨兵たちも、手には槍や剣を携えていた。
RPGなどでは、お馴染みに敵だが実際に相対すると尋常じゃない不気味さだ。骨が動いてくるのだから、当たり前だろう。
しかし、姐さんから伝授されたシュミレーターで骸骨兵との戦闘に慣れていたおかげもあってか、そこまで恐怖は感じなかった。
【虚飾】が、【近接戦闘(刀剣)】rank100に代わりました
「シルエット・シックス……“
共に走りながら、戦闘状態に移行すると……。
「七星剣術・一つ星……
「八卦風神掌……
ゴウッ!!!
前方にいる敵群を俺の剣から放たれた衝撃波が、左右にいた敵群をアスカの左右の掌から発生した風圧が、それぞれ猛威を振るって蹴散らしていく。
「わーお!二人とも、つっよ!!」
「植村の剣術は、実力テストでも見ているが……七海アスカのアレは、なんだ?武術に風を
後方で呑気に感心している二人のサポーター。
ダンジョン経験者たちの活躍に触発されてか、月森も意を決して百円硬貨を手首に装着した『ガチャコッコ』へと投入する。
「コケッコー!」という鳴き声と共に生み出された銀色の卵から出現したガチャ武器は……。
地獄の大鎌
等級:レア
魂を刈る地獄の鎌。扱いは難しいが、不死族のクリーチャーに特効が付与される。
「
生成された鎌を握ると感触を確かめるかのように、くるくるとバトンの如く華麗に回してみせる彼女。
それを見ていたアスカも、さすがに驚いたようだ。
「マジ!?まさか、武器を生み出す
「大丈夫。彼女のユニークスキル【
そう考えると、実にガチャの秘宝と相性が良いユニークである。ほとんどの武器を、ある程度までは使えてしまう彼女にとって、ハズレ武器が排出される可能性は極めて低くなるということなのだから。
そして、彼女の演舞は始まった。
まるで、ダンスを踊るかのように体を回転させながら敵陣に突っ込んでいくと、次々と湧き出てくる
「おぉ、やるねー!月森さん!!」
なぜだか、嬉しそうなアスカ。
この間に、俺はボスの攻略法を見つけよう。いつまでも、湧き出てくる骸骨兵を相手にしているわけにもいかない。ゴブリンの時と同じく、召喚者である
【虚飾】が、【鑑定】rank100に代わりました
ビフロンス
身体能力 D
精神耐性 B
【特性】
物理無効
すり抜け
瞬間移動
溶かす
中位召喚術
「物理無効!?亡霊だから……って、ことか?」
クリーチャーを鑑定すると、おそらく敵側のスキルであろう【特性】とやらを覗き見ることが出来るのだが、色々と気になる項目が並んでいた。
そんな俺に、戦闘を継続しながら、アスカが声を掛けてくる。もはや、頼もしいぐらいの余裕っぷりだ。
「
「えっ、そうなの!?ごめん、勉強不足で……」
「でも、ユウトのそれなら、ダメージを与えられるかも!」
そうか!俺の
「植村くん!奴までの道は、私が切り開くよ!!」
ズバアッ!!
月森さんが、まるで無双ゲーのように前方の骸骨兵たちを排除してくれると、言ってくれた通りに
「ありがとう!月森さん!!うおおおおおっ」
その機を逃さず、俺は早期決着を狙ってボスへと突っ込んでいった。神坂さんのように足は速くないものの、アスカと月森さんで骸骨兵の侵攻は食い止められている。これなら、いける!
「七星剣術・二つ星……“
俺は、妖刀に憑依されていたマコトから教えてもらった“
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます