サイズ・ビル 地下宝物庫
自らの指紋認証で、宝物庫のロックを解除する青柳。
扉が開くと間髪入れず、再びあの煙玉が飛んできた。
「二度も、同じ手を食うか。
冷静に、青柳が飛んできた煙玉をキャッチすると、みるみると凍結していき、煙が吐き出すことはなかった。
これが、青柳リョウマのユニークスキル。
触れた物に冷気を宿す、四神の
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22歳(男)日本出身
「漆黒の鎌」所属 C級冒険者
身体能力 A
スキル
【近接戦闘(刀剣)】rank78
【運転(バイク)】rank76
【歴史】rank55
【威圧】rank53
【目星】rank51
【機械修理】rank42
ユニークスキル【青龍】rank ー
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しゅるるるる……!
煙玉に気を取られ、守りが
「彼は、ウチが引き受けます。みんなは、はようアスカちゃんのところへ!」
青柳の身体を縛り上げたのは、京極セイラの技「玄武流薙刀術・蛇咬鞭」であった。しかも、巻きついてからは、彼女のスキルで硬化されて、簡単には抜け出すことは出来ないようになっている。
京極の珍しく強い口調に、その決意を感じ取ったのか、一瞬だけ
「頼んだわよ、セイラ。来なさい!ホノカ、マサキ!!」
先生に呼ばれて、なくなく二人も京極に後を託すことに。
「セイちゃん……また、あとで!絶対やで!!」
「あんなハゲ頭、ちょちょいと始末したれ!」
二人のチームメイトからのエールに、笑顔で応える京極。しかし、青柳も黙って見逃すわけではない。
「逃すな!そいつらを、捕えろ!!」
拘束されてる青柳の両脇をすり抜けて行こうとする石火矢たちに、配下の冒険者たちが立ち塞がる。
「悪いけど、時間がないの。少し、痛い目を見てもらうわよ!」
人質のフリをしていたせいで、大型の武器こそ持ち込めなかったものの、煙玉のような小型のアイテムは大量に忍ばせていたらしい石火矢が次に取り出したのは、なんの変哲もない複数のビー玉で。
ぶんっ
そのビー玉を一気に鷲掴みして、まるで力士が塩でも
すると、そのビー玉ひとつひとつが、ギュンッと加速し敵の密集する場所に襲いかかっていく。
ドドドドドドドドドッ
もちろん、そのまま直撃すれば、相当なダメージを負うが、そのビー玉は避けられても壁にバウンドして、敵に命中するまで加速を止めることはなかった。こうした狭い室内でこそ、より真価を発揮する石火矢の
このビー玉の動きを見るに、石火矢ミナミのユニークスキル【放射】は、ただ単純に投げた物を加速させるのではなく、投げた物体を特殊な投擲武器に変えてしまうというのが本質だということが分かる。
あらかた片付いて、スッキリとした道を石火矢たちが駆け抜けていく。
「チッ!役立たず共め!!」
みすみす石火矢たちを取り逃してしまい、舌打ちする青柳に、京極が自分に注意を向けさせる。
「どこ、見とるんや?アンタの相手は、こっちやで」
「ふっ。その貧弱な武器で、俺の青龍刀とやり合うと?冗談でも、笑えんぞ。京極」
そう。大きな武器を持ち込めないということは、京極の武器である薙刀も例外ではなかった。
彼女が手にしていたのは、たまたま宝物庫で見つけた清掃用のただのモップだったのだ。
「冒険者の勝負は、武器の質では決まらへん。それを、証明したる」
「
青柳が自身を縛りつけている、長く伸ばされたモップの
バリン!!
そうなってしまえば、破壊するのは簡単だった。彼を縛っていた部分は、粉々の氷となって床に散らばっていった。そして、自由を取り戻した青柳は、自身の背中にあった青龍刀を、ゆっくりと引き抜く。
「殺しはしない……が。俺に喧嘩を売ったことを後悔するぐらいには、痛めつけてやろう。覚悟しろ」
京極は、折れたモップを構えなおし、改めて青柳と対峙する。冷静を装ってはいたが、頬を一筋の汗が伝っていく。確実に、身体は恐怖を感じていた。
しかし、彼女は仲間のことを思い浮かべ、勇気を奮い立たせる。
「玄武流薙刀術、京極セイラ……
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