葬送 そしてまた雨が降る

 (部屋の窓が切り取った大地の上に

  腐りかけの誰かの奇妙なイデア

  キーキー ガーガー いている)


SORROWS哀しみかれた旗を広げて

ARROWS という憎しみの海嘯かいしょうふところへと

と ヒト 他人ひと……

自ら乗り込んでは ひたすら次々に滅んで逝く


「鎖を 円環を断たなくては」

人間ひと屡々しばしば そう考える

そう考えるから 信じない

目の前のSee-Sawシーソーに揺られるものが

他でもない 人間にんげんであると


ある日

巨大な歴史の山脈が欠伸あくびをして

人間ひとの世界が みにくく揺れた

霧の知恵の棚の上から

七つのショットガン ドスンと落ちた


それを抱えた 脚足あしのない夢の歩兵部隊

──── 灼熱の浜辺に整列してたけりに猛る

陸の孤独者たちの群れ ────

真一文字まいちもんじに口をキッと結び

いざ 間断なく矢を放つ海へ

他人ひとの血のケイオスの海へと

一直線に向かい そして 一直線に死んだ


人間にんげんとは何か なんにも知らないうちに



だから

君よ 今こそ

どうか 今こそ 哭いてください


哭いて 哭いて 哭いてください


鋼の心臓が時間ときと涙に錆びついて

生命いのちの底に 枯れ果てるまで







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詩集 MIRGLIP もざどみれーる @moz_admirer

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