第6話 なろう転生 あるピーマンな忍者さん その6

宿に帰って来て、安物のベッドに横になる。


食事は宿の物を食べたが、まぁうん・・・・。

食べれた。そのことに感謝しないと。

こんな文化レベルの世界、空腹にならずに食べれるだけでも、それは幸せなことだってウチにインプットされた常識が教えてくれている。


まぁ食事や住環境の不満は言っても仕方ないので、明日からの行動を考える。


異世界もの定番の「冒険者ギルド」にまずは登録。

登録スタート時は★が一個魔法的な特殊インクで記されたカードかららしい。

★は依頼達成や、薬草等素材採取・害獣モンスター駆除の成果を上げることで、その都度増やして貰える。

★一個は「成りたて・ひよっこ」等と呼ばれ、★二個で「新米・駆け出し」★三個でやっと「一人前」って感じみたい。

★4つからは「ベテラン・そこそこ」と世間からも見られ、★5個からは一目置かれる感じで、★6・7に成れる冒険者はかなり限られてくる。

★8個が現在の最上位で、この辺りの者は国の王族・軍関係者なら誰でも知ってる知名度をもっていて、冒険者からは憧れの存在。

今時点で8人がそれに成っているらしい。


なにはともあれ、登録をしない事には始まらない。


薬草や資材採取は、常時出ている物もあれば、個人や商店などが数や納期指定をして出している物もある。

害獣・モンスターも同じで、いつでも狩ってきて証明部位を受けつけに出せばいい物。依頼で指定された場所や個体を狩り・討伐する物もあり。


常時出てる採取も討伐も★での制限は無いし、事前に受付を通すこともないので各人の自己責任で判断を求められる。


依頼者ありの依頼では、依頼不履行になれば、依頼の成果報酬の3割を、依頼を受けた冒険者が違約金として払うことになる。

なので。依頼者付の依頼は、受付でしっかりと達成可能かを判断され、★二まではまず受けさせて貰えないっぽい。


採取・狩り・駆除ではなく、いわゆる「お使い」や「日雇い」の依頼もあるので、★2までは依頼受けるとしたらこの位。


ウチとしては一応、ステイタスもスキルも、ある程度の戦闘が出来るだけはあるので、「お使い」「日雇い」はパス。

危険度の低そうな場所での薬草などの採取をメイン。その場に戦闘可能そうな害獣・モンスターが居れば、戦闘をしてみる!って方針で行こうかと思ってる。


焦って日銭を稼がないと食えない!って程の所持金でもないので、ゆっくり経験を積み上げる気でやってみよう。


採取に関してはチート能力の鑑定、敵の索敵・接近はMAPでカバー出来るので、かなり優位に立てる。


最悪、不慮の事故・死亡となっても、それは現実世界への送還なるだけなので、ある意味お気楽に、楽しむくらいで問題ない。


あとは調子に乗って、「ウチ やっちゃました?」のお約束で悪目立ちしないように注意くらいかな。


まぁ色々試さないといけない事も多いし、スキル等は他の人に見られるのも困るから、しばらくはソロ。


時計を表示し、今がPM9時10分と確認。

電気なんてないこの環境では、酒場でもないならもう就寝してる時刻。

当然朝は日の出少し前、周りが明るくなれば人は動き出す。

明日の日の出をと思えば、5:56っと表示が出る。

朝の日雇い依頼とかの争奪戦に加わるなら、日の出前には動きださなきゃだけど、それには参加する気ない。

登録自体を先に済ませなきゃなので、朝の混雑をやり過ごして、まぁ8時にギルドかな?

アラームを7時にセットして、今日はもう寝てしまいましょうかね。


ボッチなスタートではあるけれど、まぁ大丈夫でしょ。


明日は「冒険者 ピーマン爆誕!」


ウチはワックワックすっぞ!!!







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る