第2話調べてみる。

「どうしてこんな所にいるんだろうか」

 独り言をつぶやかなければならないほどに僕の心は不安で一杯であった。

 これは現実なのだろうか。果たして。とりあえず脱いでみる。

 うん。寒い。全裸になったのだから当然っちゃあ当然かもしれない。

 そしてくまなく自分の体を調べる。幼き頃に付いた傷跡は確かにあるし、

頬をつねれば確かに痛いし、けつを叩けばバチンバチン乾いた音がする。身に着けていたパンツは確かに昨日はいていた熊さんのパンツだし。指の間から生えている一本の奇跡の毛として後生大事に縁起物として取っている毛も長さ、色を変えずに昨日のままそこに存在している。

「確かにこれは……夢じゃないな」

 僕は奇跡の毛をやさしく、滑らかに、軽やかに愛でるようになでながら呟き天をうつろな目で眺めたのであった。

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