破章 世界へ
26話 Loading...
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はるか遠い未来、もしくは、気の遠くなる程の昔。
世界中を巻き込む巨大な戦争が起きた。今では核大戦と呼ばれている。
その戦争には秩序が存在しなかった。発端は、とある発展途上国が一つの大国に向けて打った一発の核爆弾だとされる。それまでにも人類は、核兵器が原因で様々な緊張状態を生み出してはいたが、その時に発射された核爆弾によってほとんどの核保有国の緊張は無に帰したと言われている。
核大戦と人は呼ぶが、その争いに開戦の合図はない。言わば最初の一発目が合図とも呼べるが、とにかく全ての核保有国がその兵器を実戦に投入した。核を持たず、戦争とは無縁なはずの国々も巻き込まれていった。新しい核兵器が次々に製造され、作った傍から発射されていった。
その昔、拳銃なる存在が世に広まった時代には、人々の暮らしに一つの恐怖の陰が落ちたことだろう。どこにでもあるナイフやハンマーとは存在意義が違い(殺傷のための存在)、入手さえすれば誰でも(目の前の人の身体に穴をあけるくらいなら)訓練なしに使用できるのだ。そんな存在でも、使用されること自体に異議を唱える者は多くない。たとえばそれが街中で一発撃たれたところで、世間の関心を惹くのは三日が関の山だ。殺すことが創られた目的だという点では、拳銃だって核兵器だって同じことなのに。
一見すると違うのは被害の規模だけで、それを逆手に取った連中は核兵器の使用を躊躇わなかった。敵を殺す手段として、武器を手に取るのは人間に備わった本能の一つなのかもしれない。初めて人類が拳銃を撃った時から、核大戦による人類の終焉は始まった。核大戦は続き、誰も止めることなど出来ず、人類はその数を減らし続けた…………。
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