第29話 修学旅行 霧崎悠那side

神門が修学旅行に行っている間、霧崎は寂しく過ごしていた。


「悠那ってそんなに神門先輩が好きなんだ」

「そんなはっきり言われるとちょっと恥ずかしい」


2年生は、修学旅行に行っているため、部活は1年生のみだった。

練習をしながら、霧崎は廣瀬と2人話していた。

内容は、主に神門についてだった。


「恥ずかしさとかあったんだね」

「それはあるよ。先輩の前では見せないようにしてるけど」

「そうなの?」

「だって、先輩ってあんな感じじゃん?」

「あんな感じって…言いたい事は分かるけど」

「ちょっと気だるい感じの雰囲気を年中してるから、からかいたいの」

「からかわれてる気がするけどね」


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神門達が修学旅行に行ってから2日目。

今日も今日とて、寂しく練習をしていた。


「ねぇ悠那」

「麻友?どうしたの?」


部活を終え、部室にて着替えていると廣瀬は霧崎に話かける。


「悠那の髪、結構伸びて来たよね」

「まあね」

「神門先輩も男子にしては長い方というか、ウルフカットにしてるけど、悠那も真似して似たような髪型にしてるよね」

「うん、髪色は違うけど」

「あの髪色って地毛なんだよね?」

「そうみたいだよ」

「すごいよね」

「綺麗な髪色だよね」


練習を終え、着替えを済ませるとそのまま寄り道をせず、帰宅した。




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修学旅行3日目。


「はぁ…。先輩にかまって欲しいなぁ」

「まだそんなこと言ってるの」


教室にいる間も、霧崎は神門の事を考えていた。

霧崎と廣瀬は、同じクラスであるため部活では無い時もこの様子だった。


「麻友は、好きな人居ないの?」

「私?」

「うん、僕ばかり言ってるから」

「私かぁ、気になる人は、神門先輩かなぁ」

「いくら麻友でも先輩はあげないよ」

「大丈夫だよ。奪うつもりはないから。ただ、気になるってだけだから」

「本当に?」

「本当だよ」



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修学旅行4日目。


「今日、先輩が帰って来る~」

「空港で解散でしょ」

「それでもだよ~」

「そうなんだ…」


修学旅行の最終日となり、今日、神門たち2年生は帰って来る。


「明日会えるかな~」

「明日は、私たち練習試合でしょ。それも女子だけ」

「あぁ、そっか…」

「でも、集合はここなんだから神門先輩と朝だけでも会えるじゃん」

「それもそっか!!」

「分かりやすいね」


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