第8話 意志
朝、神門家の自宅にて…。
「煉~」
「んー?」
「あんた、あの後輩ちゃんと仲良くしてるの?」
「仲良くって…。後輩の中では喋る方だよ」
「なにかきっかけあったの?」
「身に覚えは無いな」
「あんたの場合、無自覚に何かやってそうだから怖いのよ」
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「ってことがあったんだよ」
「いや、正直お前ら関係って傍から見たら、おかしいからな」
「そうか?」
「付き合ってないのに、ああいう関係だったらおかしすぎるわ」
「えぇ…」
2年3組の教室で、神門と香威が向かい合って話していた。
「なになに~。なんか面白そうな話してるね」
「一華、こいつとあの後輩の霧崎との関係について聞いてた」
「悠那とのねぇ。神門って結局付き合ってんの?」
「告白はされたことないぞ」
「「はぁ」」
「露骨に溜息したな」
神門、香威、佐藤の3人は、同じクラスだ。
だが、休み時間の時に会話する感じではない。
それぞれの事をしていることがほとんどだ。
「というか、あんな2人とも同じリストバンドに練習着を着て、ペアルックじゃないですよって方がおかしいぞ」
「あっ、やっぱりお揃いだよね。なんか見覚えがあったもん」
「だって、気に入ったのを身に着ければ良くない?」
「お前のそういう所歪んでるよ」
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今日の授業も終わり、それぞれ部活に向かう。
「煉~」
「とうとう先輩も付けなくなったか」
「だめでした?」
「いや、良いけど」
部室に向かう途中、神門は、霧崎と合流した。
「先輩って底なしで優しいですよね」
「まあな」
「今月末、先輩って県大会ですよね」
「そうだけど」
「頑張ってくださいね」
「もちろんだ」
「女バスみんなで応援に行くみたいなので、煉のこと応援しますね」
「期待してるよ」
体育館に辿り着き、それぞれの部室へと入る。
「あれ、キャプテン。早いっすね」
「神門か。香威と他のメンバーは?」
「掃除じゃないっすかね」
「なるほどな」
三神が先に部室来ており、着替えを済ませていた。
「なぁ神門」
「はい?」
「ありがとうな」
「どうしたんすか」
「お前たちのおかげで、俺はまだコートに立って居られる」
「そんなことですか。それよりも受験に差し支えないか心配です」
「後輩が先輩の心配をしてるんじゃないよ」
「そうっすか」
その後、掃除を終えた部員たちが続々と部室に集まった。
各々、着替えを済ませ、コートに集まっていた。
「集合!!」
監督の呼び声に、男子バスケ部は集まる。
「今年は、去年に引き続き、2年生のおかげで地区予選は難なく勝ち上がった。だけど、油断は決してしないように。バスケが上手い人なんてざらに居るんだから。でも、これだけは忘れないで。あなた達は十分戦える。夜桜中男子バスケ部の誇りよ。それだけは覚えておくように。今年も県大会勝ち抜いて、全国大会に出てみせるよ」
監督の言葉を聞いた部員は、意志を固く決める。
「じゃあ、練習始めるよ。気合い入れていきなさい!!」
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