第23話 隠し事
ナレッジの
それまでは
2つある
「ねぇハヤト……マリッサのことなんだけど、ホントだと思う?」
「分からない。でも、彼女のことを完全に信じられるのかって言われると、
「……うん。アタシもそう思う」
マリッサが俺達に見せていた
主なものとしては、
白いドラゴンを落とした水の
今までは、出会って間もない相手を
「ナレッジの言ったことが全部本当かどうかはさておき、マリッサが俺達に何かを
「うん……でも私、もしもマリッサが全部の原因だったとしたら、
「メイ……」
「マリッサじゃなくても、誰かのせいで世界がこんなことになったんだとしたら。それは、アタシの家族を殺したのと同じだよね」
「そうかもな」
「……
メイは
つまり、カラミティが起きなかったら、今も家族と
そりゃ、カラミティの
俺とは
「メイは
「え?」
「俺はさ、世界がこんなことになったってのに、家族の心配なんて、今の今まで考えもしなかったよ」
「ハヤトには、家族がいないの?」
「居ないってわけじゃ、ないんだけどな……」
両親と俺の3人家族。
今なら伝えることができるかもしれない。
「母親とは、数年前に
「……お父さんは?」
「
「そう……なんだ」
どこか
きっと彼女は、する必要のない
ホントに、優しい子だよ。
それに比べて俺は……。
「会社も日本も、世界そのものが何もかもぶっ
メイは何も言わない。
もちろん俺も、彼女が何か返事をするなんて思っても無い。
「だけどさ、いざぶっ
「……そうだね。アタシもハヤトの気持ち、少しわかる気がする」
「だろ? それって多分、俺もメイも、生きてくことに
「そう……なのかな?」
「自分が危ない目に合ってるときに、誰かの心配とかしたか? 誰かを
「……してなかったと思う」
「俺も同じだよ。初めの
「うん。そうだね」
「だからこそ、自分に
「……そっか」
「ってわけで、どうせ自分以外の誰かに
出来る限り明るい口調で言い終えた俺に、メイは小さく笑い声をあげる。
「ハヤト、なんか
「まぁな、ちなみに今のは
「受け売りってどういう意味?」
「
「ふふふ。
「まぁな。で、1つ
「マリッサに話を聞きに行く?」
「お、良く分かったな」
「ハヤトが考えそうなこと、少しずつ分かってきた気がするよ」
先ほどの俺の
それに合わせて、俺も起き上がり、立ち上がる。
「そうと決まれば、
「
「あぁ。後は、どうやってここを出るかだが」
「こういう時、お前さん達人間は、猫の手も借りたいって言うんだってな?」
「
部屋から出る方法を探そうと、扉の方に向かいかけた俺達の
「よぉ、ハヤト。それにメイちゃんも。どうだい? いまならお安くしといてやるぜ?」
そう言う彼の
それを使えば、
「さすがだな、
「吉田のおっちゃんに助けてもらったのさ。まぁ、オイラの
すぐに
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます