第22話 世界規模の大罪人
白いドラゴンは何者かが
おかげで俺達は、殺されずに済んだらしい。
どこの誰だか分からないけど、お礼を言わなくちゃだよな。
なんて考えている間に、俺は意識が遠のいていくのを感じる。
出血しすぎたのかな? 遠くからメイの声が聞こえる。
返事をしたいけど、上手く声が出ないな。
そして気が付いた時、俺は見たことのない天井の下で横になっていた。
「ん……? ここはどこだ?」
「ハヤト! 気が付いた?」
「メイ。どうなってるんだ? あの後、何があった?」
「うん。ハヤトが気を失った後、エルフがたくさんやってきて、アタシ達全員
「マジか……
「分からないよ。アタシとハヤトだけ、この部屋に閉じ込められちゃったから」
「俺達だけ? 良く分からないけど、取り
「申し訳ないけど、あなた達を簡単に逃がすわけにはいかないのよねぇ~」
「誰だ!?」
「ガルルルル」
部屋の扉を開けて俺達の会話に割り込んできたのは、
まぁ、
「そんなに
「俺達を
「そうだよ。あれは私がやったのさ。んでもって、あんた達をここに運ぶように命じたのも私だよ。
「っ!? どうして俺達の名前を!?」
「調べる方法ならいくらでもあるけど、今回は
「どうしてアタシ達を
「おや? そのあたりの話は、マリッサから聞いてるんじゃなかったのかい?」
マリッサのことを知ってる? この女、何者なんだ?
もしかして、
だとしたら、
「だんまりか。まぁ、どっちでも良いけどね。そんな
「こんな状況で飯なんて―――」
ぐぅぅぅ……。
「メイさんっ!?」
「ご、ごめんハヤト! でも、良い
メイにツッコミを入れた直後、俺も腹をくすぐるような良い
「世界がこんな状況だったんだ、あんた達も温かい食事は久しぶりなんじゃないかな?」
「……足元見やがって」
「それが
ニヤッと笑みを浮かべる美女に、俺は何も言い返せない。
そのまま俺達は、彼女に連れられて食堂に向かった。
道中、
アイオンから南にあるエルフの
ってことは、
テーブルに並べられる食事を前にそんなことを考えていると、美女が俺達に食事を
「どうだい? ここで働いていた
「美味しい……」
こんなの、ガマンできるわけ無いよな。
取り
「で、あんた達の
「その前に、あんた呼ばわりされるのは気に入らないね。私の名前はナレッジ。レルム王国
「……分かった。で、その
「話が早くてありがたいね。簡単に言えば、私達のために
「
「ハヤト、それって」
メイの
ナレッジの言ってることはマリッサの依頼と同じだから、俺も驚いたしな。
てっきり、全然違うことを依頼されるかと思ってた。
って言うか、お願いじゃなくて命令されるもんだと思ってたよ。
でもまぁ、ここで
「……それをわざわざ、どうして俺達に頼むんだ?」
「
「
また出たよ、龍神様。
マリッサの話にも出て来た、その龍神様とやらには、一度顔合わせして見たいもんだな。
それに、ナレッジの言い方も少し違和感があるよな。
龍神様に愛されてるから、俺達に頼むって、どういうことだよ?
「
「この
「そうさ。あんたは間違いなく
「……」
俺と違ってメイは
ってことは、メイ達の世界では
愛されてたからって、何なんだよ?
考えても時間の
「その依頼を受けるのは、別に
「何かな?」
「
「それはもちろん。
「
「あぁ、そもそも私達レルム王国は、カラミティが発生する直前まで魔王軍と戦争中だったんだからね」
「戦争中!? メイは何か知ってたか?」
「ううん。アタシ達は森の奥深くに隠れ住んでたから、外のことはほとんど知らないよ」
「マリッサは何も言ってなかったのかい?」
「……」
「その様子だと、説明は受けていないようだね。まぁ、そりゃ当たり前か」
ナレッジの言葉に
そんな俺達に追い打ちを掛けるように、ナレッジはとんでもないことを口にした。
「だってこのカラミティは、
「マリッサが……引き起こした!?」
「そんな……マリッサが……?」
俺以上に
そうか、彼女にとってはカラミティを引き起こした存在こそが、家族を
でも、だからと言って、マリッサが本当に
彼女は一応、カラミティで
自分が引き起こしたから、元に戻そうとしてたってのか?
「そうだよ。彼女は今、
「そういうワケで、改めてお願いしようかね。私のために、
少しばかり
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます