第13話 龍神とドラゴン
実際、俺の
本当なら、
まぁ、そう上手く行かないのが
そういう意味では、この
「車……これがハヤト達の世界の
「言い方が仰々しいけど、まぁ、間違いじゃないのかもな」
スーパーへの帰り道、
彼女の変な
と、俺がバックミラーに目をやってる間に、マリッサの
「オイラ、車に乗るのは初めてだ」
「ハヤト! なんか光ってるよ!? 何これ!?」
「それは時計だよ、って、おい
「ちょ、ちょっと出そうになっただけだ、安心しろ」
「安心できるワケねぇだろ!? ったく、あと数分でスーパーにつくから、ちゃんと
この車は俺にとって命の
「……馬よりも
「そりゃそうだな。でも、ガルーダじゃそんなにたくさんの荷物を運べないし、人も乗せられないだろ?」
「それはまぁ、そうかも」
「別に張り合う必要ないだろ。ガルーダみたいに
「
「おぉい! ハヤト! まだ着かないのか!?」
「もうすぐだ!
もちろん、扉を開けると同時に
そんな彼を見送った俺は、トランクを開けながら背後のマリッサに声を掛けた。
「さてと、荷物はスーパーに運ぶとして、なぁマリッサ、この素材はこの後どうするんだ? まさか、ここまで持ってきて、
「そんなバカな話ないよ。薬の
「薬。ってことは、これらを
「……途中から意味わかんないけど、まぁ、
「それ、俺にも手伝わせてくれよ。念のために作り方とか覚えておきたいし」
「手伝わせてくれって……まぁ、元々手伝ってもらうつもりだったから良いけど。逆に、私も教えて欲しいな。こっちの世界では、どんな調合方法が発見されてるの?」
発見されてる?
なんか、マリッサってたまに
まぁ、どうでも良いことだけどさ。
「俺は薬の
「そうなの!? でも、車は使うことができるんだよね?」
「? まぁ、そうだけど。それとこれに何の
「? 何の
「どういう感覚してるんだよ。車の乗り方なんて、練習すれば誰だって出来るようになるだろ。逆に、薬の作り方はほとんど誰も知らないと思うぞ? それこそ、専門知識がある人間じゃないと、作れないのが普通だ」
自信満々に言ってみたけど、マリッサの
もしかして、世のサラリーマンたちは皆、薬の調合方法を知ってたのか!?
いや、そんなまさか。……だよな?
なんてことを考えながら、俺はトランクから取り出した荷物を抱えてスーパーの中に入った。
もちろん、マリッサとメイも後を着いてくる。
そうして、一通り荷物を置き終わったタイミングで、釈然としない様子のマリッサが口を開いた。
「おかしいのは
「ん? うん。それくらいなら、小さな時から知ってる!」
「小さな時から!? マジかよ。これはあれだな。文化の違いってやつか?」
「そうだね。まぁ、そんなことはどうでも良いから、もっと大事な話をしよう」
「大事な話?」
今、結構大事な話をしてた気もするけど。
でも、彼女の視線が俺の右腕に動いたところから察するに、ここで話を
「うん。ハヤト、
「あぁ。なるほど」
「……」
マリッサの言葉に俺が納得して、メイが
「ふぅ~。すっきりしたぜ」
「
「あぁ」
マリッサの提案に反対する者はいない。まぁ、当然だな。
それを目で見て理解したらしい彼女は、事実を
「さっきも言ったけど、ハヤトは今、とても不思議な状態になってる。その理由を少し考えてみたんだ。多分、ハヤトは気絶している間に
「なるほど。それは納得できるな」
「でも正直、私にとっては
「なんでだよ!?」
「だって、ハヤトが
「そりゃ
俺からすれば、腕がこうならなかったら、確実に命を落としてたんだけどな。
まぁ、これについて
「それともう一つ、
「あの白いドラゴンのことか?」
「うん」
「ドラゴン……」
ついに話題がドラゴンに移ったことで、メイがあからさまに落ち込む。
多分、家族のことを思い出してるんだろう。
そんなメイの様子を少し気に掛けながらも、マリッサは続けた。
「私が知る限り、ドラゴンは非常に高い
「どうしてそうなるんだよ?」
「だって、あそこは
「
「……どういうこと? どうして、そんな
「は?」
「
「ほう」
常識、なのか。
同族とか仲間とか、そんな感じではないにしても、明確に敵対するって言うほどの関係ではないと思ってたよ。
まぁ、それが彼女の住んでた世界の常識だったってことになるって思うことにしよう。
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