第2話 俺と魔女の邂逅
そもそもどうして
まず、今起きているこの異常は1週間前の
巨大な
パニックを起こした人々は逃げ
おまけに、テレビとかラジオとかネット、そう言った通信系の物は
電気も水道もガスも、ライフラインは何もかも止まってるような状況。
完全に社会活動が止まってしまってる。
……自分で話の内容を整理しながら思うけど、これって作り話か何かにしか思えないんだが。
でも、魔物ってなんだよ?
そもそも、猫が話をしてるって時点で、俺はこの話を信じるべきなのか?
最悪、全部俺の夢か
出来れば、夢であってくれ。
そんな願いを
だって、俺がどれだけ
「……本当に世界が変わったってことだよなぁ」
アパートの屋上に寝そべりながら、夜空に浮かぶそれらの月を見上げた俺は
目が
よく考えれば、俺はどうやって1週間生き延びたんだろう?
正直、もう腹が減りすぎて気が
何か食べれるものを持ってくるって言ったっきり、どこかに姿を消した
全然戻ってくる
「もしかして、
「何もせずに待つだけっていうのも、結構つらいな」
これは俺の
「ちょっと様子を見に行ってみるか」
食べ物を取りに行ったってことは、
……まさか、そのへんのネズミを
とにかく、スーパーならここから歩いて5分程度の場所にあるし、行って帰ってくる程度なら大丈夫なはずだ。
念のために、
スーパーまでの道はよく歩いていたけど、かなり様子が違って見えた。
そのおかげで、
そうして、魔物とも
「なんだ? 誰かいる?」
スーパーの目の前には大きな
「何してるんだ?」
もっとよく見たいけど、月明かりだけじゃあまり
近付いてみようにも、身を隠せそうな
ここは
それとも、思い切ってその人影に声を掛けるか?
俺がそんなことで悩んでいると、
「もう! あと少しなのに、邪魔しないでくれる!?」
一瞬、
同時に、声の主が女性なんだってコトにも気が付いた。
なんにせよ、彼女は何者かに
相手が誰か知らないけど、たった一人で対抗できるのか?
助けに行った方が良いかな?
なんて考えていると、彼女の持ってた棒状のものが
「なんだ? どうなってるんだ?」
自身の背丈よりも長い棒は、どうやら杖のようで、その先端が
その光に照らし出される女性の姿を、俺ははっきりと目にした。
交差点の先に居るであろう相手を
そんな彼女の姿を見た俺は、中でも彼女の耳に目を奪われる。
「
アスファルトで固められた交差点に立つエルフ。
世界は変わったと理解したつもりでも、目の前で
だけど、俺が現実を受け入れるだけの
「あれは……ゴブリン? いや、サイクロプスとかいう奴だっけ?」
2メートル以上もありそうな巨体のサイクロプスが、手に一時停止の
見るからに
それに対して、エルフの少女は全く
本当に大丈夫なのか?
振りかざしてる杖が光ってるってことは、彼女は多分、魔法を使うんじゃないかな?
いや、ただの
いや、おかしいのか?
とにかく、彼女は
そうじゃないと、あれだけ
少なくとも、俺だったら恐怖ですぐに逃げ出してるはずだ。
うだうだと考えてみたけど、結局、俺が助けに入るなんて
だって、俺は普通のサラリーマンであって、戦うとかそんなこと、出来るわけないんだから。
出来ることと言ったら、学生の頃に陸上部に
それが
つまり、この場で彼女が
「
でも仕方ないだろ?
どこの誰が、こんな急に世界が
そこまで考えた俺は、1週間前のあの日、自分が
同時に、視界の
その影は、サイクロプスに注目しているエルフの少女の背後へと
暗くてよく見えないけど、小さな人型の魔物らしきその影は、手にこん棒みたいな物を持っていて、彼女を
「これが最後の
「デハハハ、強がるな、小さなエルフ」
「誰がっ!!」
サイクロプスの
そんな彼女が一歩を踏み出したその瞬間、彼女の背後に
と、同時に。俺はその影に向かって
どうして飛び出したのか、そう聞かれたら何と答えるべきなんだろう?
多分、この時の俺自身も、その質問に対する明確な答えを持ち合わせてなかったと思う。
ただ、自分にできることがあるのに何もしないのは、
そんなフワッとした感情に、突き動かされたんだ。
「
自分でも意味が分からないことを
そうして、地面に
「ふぅ……、意外とやれるもんだな」
「人間!?」
ほっと一息つく俺の背中に、エルフの声が掛けられる。
そんな彼女の方を振り返った俺は、彼女と
「
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