TIPS:ゲームで着る衣服・転生した肉体について

 各プレイヤーが身に着ける衣服は全部で8枚。

 その内訳は『ブレザー』『ネクタイ』『ブラウス』『スカート』『右ソックス』『左ソックス』『ブラジャー』『パンツ』。

 その他に冒頭で緑青が使っていたように、ハンカチなど小物類もいくつか装備している。メガネ氏には眼鏡拭きも用意されていた。メイド長ラブリィ氏の細やかな気遣いが光る。


 鈴ちゃん氏の鈴飾りや猪島氏の花飾りなど、各プレイヤーは識別の意味もありアクセサリを装着している場合がある。これらは今回の『バトルロワイヤル野球拳』において参照されない。脱着も自由で、取り外してもゲーム空間内で破壊され再度着用できない、ということもない。


 そもそも各プレイヤーを識別する目印をつける意味がどこにあるのかという話だが、それはいずれラブリィ氏の口から語られることがあるだろう。彼女は伊達や酔狂でメイド服を着ているわけではないし、ゲームマスターを名乗ったりもしないのである。


 また各プレイヤーの転生した肉体はおおむね同等の体格や筋力を有している。運動能力も潜在的には同等だが、実際は肉体に転生した個々のセンスや技量に大きく左右される。いきなり自分の体がアクロバットできるようになりましたと言われても、それまで飛んだり跳ねたりしなかった人が突然そういうアクションを取れるようになるわけではない。


 ただし生前の個人に強く結びついた魂の気質――つまり個性が肉体へ影響を及ぼすことはある。無論、大抵の人間の個性など大したことはなく、影響を受けるとしても微々たるものである。そこはゲームに際し、肉体的個性が出やすいようラブリィ氏によって調整されている。メガネ氏なら自身の理知の象徴である眼鏡を身に着け、それに応じ視力がやや落ちる。れむ氏なら自身の性欲に比例し肉体が理想的な豊満さを獲得する。


 唯一、プレイヤーの身体的特徴が個性を超えて調整されたのが鈴ちゃん氏である。彼女のプレイヤーとしての能力はラブリィ氏から見ても破格であり、そのために小柄になるよう手を加えられている。鈴飾りという音の出るアクセサリも、まさに猫につける鈴としての役割が期待されている。


 とはいえ、ラブリィ氏は運動能力が重視されるタイプのゲームより、知略戦略がものをいうゲームの方を好む傾向にある。鈴ちゃん氏への調整はあまり意味がないかもしれないが、彼女なりのゲームマスターとしての役割意識があるのだろう。


 それではここからは超特急ノンストップ。生き残りをかけた最後の戦いを楽しんでもらおう。

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