第23話 震える大地 その3
村は阿鼻叫喚とした状況だった。
ゴブリン共が闊歩し、体格のいいゴブリンが次々と家の壁を破壊してそこから他のゴブリンが入って行く。
「うわやめてくれ!」
私は駆け出す。
まずは家から引き摺り出されてゴブリン達の真ん中に乱暴に投げ飛ばされた男性の元へ向かう。
『やめろ!』
私は囲いの近い所にいたこちらに背を向けていたゴブリンの首を斬る。
男性を囲っていた3体がこちらに向く。
「ギギイイ!」
まずは1体がこちらに向かってその刃こぼれしたナイフで斬りかかってくる。
それをかわし、腹を斬る。
臓物を溢れさせながら、前に倒れる。
次に槍を持ったゴブリンが突いてきたので剣で軌道をずらしてゴブリンの胸辺りを斬る。
斬られたゴブリンは胸を押さえながら膝を付く。
そこに横斬りに剣を振り首を斬り飛ばす。
次。
ゴブリンが男性を踏み台にし、高く飛び上がり襲いかかってくる。
私は後方に飛び退き、かわし着地したタイミングで立ち止まっているゴブリンへ斬りかかる。
肩から斜めに斬る。
「ウグオオオオオ!」
連れてきたゴブリンが全体、私に倒されたのリーダー格の体格のいいゴブリンが怒ったように私にその手に持ったハンマーを振り上げ、襲いかかってくる。
私はこちらに向かってくるゴブリンに向かって走る。
ハンマーが振り下ろされる。
それをかわし腕を斬りつける。
腕が斬り離され、呻き声をあげながら後ずさるのを見逃さず、斬りあげる。
喉を斬り裂き、血が吹き出し、倒れる。
この家のゴブリンはこれで全部か。
男性を見る。
怯えてガタガタと震えながら丸まっている。
どうやら大丈夫そうだ。
他のゴブリンを倒さないと。
そこで、ゴゴと地面が大きく揺れた。
なんだ一体!
驚いていると次第に揺れが収まる。
なんだ一体。嫌な予感がする。
「キャアアアア!」
また悲鳴が鳴り響いた。それより人命救助しないと。
私は悲鳴の聞こえた方へ走っていく。
その家は壁を破壊され、外に3体のゴブリンがおり、リーダー格の筋肉質なゴブリンが入って行こうとしてるのが見えた。
私はまずは外にいるゴブリンの1体を気付かれる前に素早く近づき斬る。
私が突然現れた残り2体のゴブリンが驚いたような鳴き声をあげ、2体同時に私に襲いかかってくる。
私は前転をし、2体の間をすり抜けるようにかわす。
すぐに起き上がり、片方の方に斬りかかる。
それをゴブリンは振り返りながら剣を翳し受け止める。
クソ。見切られた。
もう1体が棍棒を振りかぶってこちらに襲ってきた。
舐めるな!
『力よ!-ボンピィア-』
肉体強化の魔法を使い、振りかぶり隙になってるゴブリンの側頭部へ振り抜き様に蹴りを叩き込む。
それを隙と思ったのか片足になって所でゴブリンが剣を引きタックルをかましてくる。
私はそれを受け止め、倒れるまま倒れ、地面に倒れる瞬間手をつき受け身を取るように転がり、ゴブリンの追撃をかわす。
こいつらだけ何故か強い。
私はゴブリンから一旦距離を離す。
ゴブリンは私が引くと追い詰めるように距離を詰める。
その際位置取りのせいなのかゴブリンの1体が前方に出るように重なる。
ここだ!ゴブリンの1体が斬りかかってきたのを剣で弾きゴブリンの脇をすり抜け、体を回転させて後ろのゴブリンの体を文字通り真っ二つにする。
次、回転の勢いを付けたまま後方に思い切り蹴りを繰り出す。
蹴られたゴブリンは前方の方へと倒れ、地面にうつ伏せになる。
逃さない。
私は立ちあがろうとするゴブリンを踏みつけ、心臓へと剣を突き刺す。
「ハァッ!ハァッ!」
私は息を整え、家の中へと視線を向ける。
すると家の中から体格のいいゴブリンが女性を肩に背負って現れる。
「ねぇ!女性!置いて!」
私の言葉を無視するように女性を担いでない片方の手で握っていた大剣を重さを感じさせないような動きで斬りかかる。
私はその一撃をギリギリでかわし、ゴブリンへ斬りかかる。
ゴブリンはかわしもせず体勢を変え、女性を盾にするように動く。
まずい。
私は刃を止め、女性を斬らないようにする。
それを隙と捉えたのか思いっきり蹴りを放ってきた。
私は後方に倒れるように身をかわし、後転して距離を空ける。
今度は女性を担いでない方の腕に斬りかかる。
ゴブリンはその大剣で難なく防ぐ。
クソ。攻めれない。私が後退して距離を空ける。
なんとかしないと私が負ける。
どうする。何をすれば!
そこで一つ策を思いつく出来るかどうかわからないがやらなければ結局結果は同じだ。
私は指をゴブリンに向けて、唱える。
『“輝きよ
パリーン
そう聞き覚えのあるガラスの割れる音が辺りに響きわたる。
ゴブリンのその巨体が倒れる。
「おい!大丈夫か?」
声の方を見るとチェスターがこっちに向かってきた。
「チェスター!」
チェスターがゴブリンの方に近づくと止めなのかもう一度頭を撃ち抜く。
「リーティエ!お前!家に居ろって言っただろう。」
「この。状況。私。戦う。」
「大丈夫だ。こっちにはフィルも一緒に」
その時、地面が揺れた。
「なんだ!」
最初はバランスが崩れそうになってなんとか踏ん張っていたが揺れが大きくなり、立っていられなくなり、這いつくばうような姿勢になる。
なんだ。これは!
付近を見回すと
「見て。あれ!」
そこには月を啄むように伸ばした長い体。その体には節節に虫、そうだムカデのような足が見え、その先に爬虫類を思わせるような頭があり、その口辺りにゴーレムが加えられていた。
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