第58話 オバケより怖いあかねちゃん

昨日は大変なことになっていたことを知らないのは若い3人、くるみ、あかねちゃん、じんのだ。

ももさんと杏子先生は大人とはいえあんなにも積極的なものなのかと逆に感心してしまう。


気持ちを切り替えてVSJを楽しもうと心に決めた矢先、誰が俺と一緒に乗り物に乗るかで女性陣は揉めている。


意外だったのが杏子先生が絶叫系がダメだったてことだ。


ももさんとあかねちゃんは絶叫系には大喜び。

くるみとじんのは頑張って乗る感じ。

杏子先生は乗ることを拒否。

みんなが引っ張って杏子先生を絶叫系に乗せようとするが近くの街灯にしがみついてはなれない。


「もうやめてあげましょう。

 杏子先生は乗り物、何が好きですか?」

俺は助け舟を出してあげる。


「お化け屋敷は大丈夫!」


「じゃあ、お化け屋敷に一緒に行きましょう」


「うん、ここで待ってる」


みんなでジェットコースターに乗って杏子先生のところへ戻った。そしてお化け屋敷へ向かう。


お化け屋敷は2種類ある。

乗り物に乗って進むタイプと自分で歩くタイプだ。


「お兄ちゃん、じんのはお化け屋敷、やだ」


「そうだね、じゃあじんのはお留守番だね。

 誰か一緒に待てる人はいる?」

杏子先生とお化け屋敷に行くという約束をした手前周りのみんなにじんののお守りをお願いしたい。


「じゃあ、二手に別れましょう。乗り物タイプと歩くタイプで。そうすればもう片方はじんのちゃんと一緒にいれるしね」


たしかにそうだ。それならじんのも困らない。

ナイスアイデア、杏子先生。


まず最初に俺とくるみとあかねちゃんで歩くタイプのお化け屋敷に入った。

本当に怖いということで有名なここのお化け屋敷。目が慣れても真っ暗で周りが見えない。


くるみもあかねちゃんも俺の腕をギュッと掴みっぱなしだ。


「ヒュ〜〜ッ」

どこからともなく声とともに耳元に冷たい風が吹く。


「きゃっ!」

くるみもあかねちゃんも声を発する。


2人の胸がむぎゅっと俺の二の腕にあたる。

2人とも俺の指にも手を絡めてくる。

心の中でお化け屋敷も悪くないと思ってしまう。


バタンッ!扉の閉まる音が響く。

急に耳元の後ろから「こっちだよ〜」とこわーい声が聞こえてくる。

「きゃー!」

くるみもあかねちゃんも俺の胸にしがみつく。


暗くて見えないが2人の方を見て2人の頭をポンポンして安心させる。


ちゅっ、


その瞬間、俺の唇が奪われた。


「えっ、くるみ?」

くるみかなと思い声をかける。


「大丈夫。わたし、怖くないから」

そう言いながらくるみは少し震えている。

この受け答えの仕方はお化け屋敷に精一杯な感じがする。

じゃあ、あかねちゃんか?


「あかねちゃん?」

小さな声で声をかけてみる。


「ふふっ、先輩怖いですか?」

含み笑いがあった。あかねちゃんか!あのキスは。


「怖くないよ。むしろ楽しいよ」


「じゃあ、もっと楽しみましょうね」


そういうとあかねちゃんはもう一度キスをしてきた。

今度はねっとりキスだ。

くるみにバレたらどうしようと思ってしまう。

あかねちゃんはキスがうまかった。

柔らかくてふあふあした唇。

おれもそのキスをちょっと堪能してしまう。


ガタンッ!


今度は上から生首が落ちてくる。


「きゃー!」

くるみは叫んで俺にしがみつく。

あかねちゃんが押し出されて俺から離れた。


あかねちゃんはすぐに俺の手を握って位置を確認する。


「じょうくん………」

くるみは不安そうな声を出してきた。


「大丈夫だよ、ほらっ」

おれはくるみの頭をなでなでしてあげて安心させる。


「んぐっ、」


くるみもキスをしてくる。

キスしながらも身体が小刻みに震えている。

安心させなきゃ、そう思い俺からもキスをしてあげる。


『!!』


急にキスを引き剥がされる。


「くるみさん、どさくさに紛れてキスは無しです」


暗くて見えてないはずなのにキスしていることがバレた。


「いや、してないけど………」


「嘘つき!卑怯よ」

そういうとあかねちゃんは極小のペンライトを照らした。


「あっ。」

俺もくるみもとっさに声が出てしまう。


「わたし、見てたんだから。くるみさんて最低ね」


なんてやつなんだ、あかねちゃんは。自分はキスしておいてくるみがキスしたら非難を浴びせる。この子はずるいタイプだ。


「ごめんなさい、怖くてじょうくんを頼ってしまったの」


「怖くてキスできるなら私もしていいってことです。くるみさん、それでいいですか?」


「それは…………」


「なんで自分は良くて、私はダメなんですか?」


「ごめんなさい、私が間違ってました」


「わかりました。では私も先輩とキスさせていただきます」


「ちょっと待て、それはキスする理由にならないんじゃないか?」

俺はあかねちゃんを静止しようとする。


「あらっ、くるみさんはいいんですね」

あかねちゃんの声の調子は怒っている。


「そういうわけじゃないけど………、あっ、でもくるみの前にキスしたのはあかねちゃんじゃないか」


「えっ、わたししてません。しくっ………しくっ」

あかねちゃんは泣く真似をしていたが暗くて見抜けない。


「ごめん、おれのかんちがいだね。機嫌直して」


「じゃあ、キスです!先輩から濃厚なやつを」


「……わかったよ、」


俺はあかねちゃんの肩を手繰り寄せ、

顔の方に向けて唇を差し出す。


あかねちゃんの柔らかい唇に触れる。

あかねちゃんは俺の首に手を回して身体でうれしさを表現している。


「ぴちゃ、ぺちゃ………」


濃厚なキスの音が響く。


くるみは我慢するしかなかった。

その音で濃密なキスがされているのがわかる。


好きな人を目の前にして他の女性がその人とキスしている光景はくるみにとってかなり苦しかった。


「せんぱーい、もう少しね」


「ぴちゃ、ぺちゃ………」


おれはくるみを前にして他の女の子とキスをする背徳感に少し高揚してしまった。


あかねちゃんを抱きしめながらキスをした。

あかねちゃんの背中やお尻に俺の手が回る。


「あっん、あっ」

あかねちゃんがあえぐ。


「せんぱい、強引ですね………」

あかねちゃんはわざとなのかねっとりしたエロい声で挑発する。


あかねちゃんが舌を入れてくる。


「んぐっ、」


くるみももう耐えられなくてついにあかねちゃんを突き飛ばそうとした。


その時………、


……………………………


あとがき


ついにあかねちゃんが動き始めました。


いま、☆レビューが枯渇中です。

注目作品に掲載されないと週間ランキングが上昇しないです。


どなたかご協力よろしくお願いします(・∀・)


来月からは新作が始まります。

ぜひそちらもお楽しみにしてください♪

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