第50話 櫻川桜って何者?

「えっ!?だれ??」


驚いたのは俺だけじゃない。

くるみも未知も俺を見て驚いている。


それはそうだ。

未知にいたってはファーストキスした相手が先生と関係を持った上に今度は年下の女の子に手を出していた疑惑がでてきたのだから。


くるみはなぜ交友関係の狭い俺に次から次へと女が現れるのかわからなかった。


「先輩の将来のお嫁さんのあかねです!」


「い、いや、だれだかわからないんだけど………」


「ひどい!あんなことしてくれたのに」


「ちょっと待て、誤解を生むようなこと言うなよ」


くるみも未知も完全に冷たい目で見ている。


「え?あれは遊びでやったってことですか?

 その場の雰囲気的な感じで襲いかかったんですか?」


くるみも未知も冷たい目を通り越して完全に見下している。


「ああぁ、なんでそうなるんだ!

 そもそも君のこと知らないからぁ」


おれは頭を抱え込んで発狂してしまう。


「責任とってくださいね、せーんぱいっ」


終わった。何が起こっているのかは全くわからないが終わった。それだけはわかる。未知とはもう仲直り不可だ。


「ねえ、君、入部希望なの?それとも藍原くんと話したいだけなの?」

未知がきつい口調で問いただす。


「おばさん、だれ? 

 えっ! もしかしてやきもち?

 おばさんも先輩のことすきなの?」


このあかねという女はヤバすぎる。

未知は完全に目がプチ切れている。


「言葉がなっていないようね。今時の新入生は。私は彼のこと大嫌いだから安心して」


「!!!」

俺もびっくりしたがくるみの方がびっくりしてた。

未知に大嫌いなんて言われると正直めっちゃ凹む。


「じゃあ、いい、お姉さんだ!」


「私はおばさんでもお姉さんでもありません。

 このクラブの部長です。それで入るの入らないの?私はあなたが必要ないのだけどね」


「せんぱーい、この人にがてぇ〜」


「未知さんもあかねちゃんも落ち着こうね。

 あかねちゃんは文芸部に入りたいのかな?」

くるみがこの場をおさめようとカットインする。


「入りたいも何も私に入って欲しいんじゃないの?」


「だ、か、ら、あなたみたいな人は必要ないの」

未知さんが声を荒げ始めた。


「ふーん、私のペンネーム、『櫻川桜』なんだけど」


「えっ!!」

未知さんが今日イチの声を発する。


「あらっ、部長さんだけなんだ、知ってるの」


俺もくるみもポカーンとしている。

櫻川桜?だれそれ?としか思っていない。

でもこの流れは有名な作家でしか話が通らない。


「ごめんなさい、たしかに櫻川桜先生なら枠にはおさまらない人物ですね」

未知がいつもの未知に戻ってかしこまった対応をしている。


「でしょ?わたしは自由人なの。部活には入った方がいい?」


「ぜひお願いします。とても勉強になると思います」


俺とくるみはすごい作家さんなんだろうなぁとまだポカンとしている。それを見て未知が教えてくれる。


「櫻川桜先生は、中学生にして各文芸賞に

 ノミネートされたの。その中でも若手の登竜門と呼ばれる1番権威のある新人賞を受賞された方です」


「へぇ〜、すごいんだ」

俺もくるみも感心している。


「せーんぱい、どう?わたしのこと好きになった?」


「いや、ならないよ。べつに偉い人が好きなわけじゃないし」


「照れ屋さん??」


「ちがう!そもそもその大作家先生と出会った記憶がありません」


「わたしは、ビビビッときたの。あんな小説みたいな出会い。名前も名乗らず立ち去る姿、

 一目惚れするには十分すぎたの」

あかねは感慨にふけりながら思い出すかのように語り口調で話す。


「あっ!昨日の助けた女の子!

 ちょっと待て!なんであれだけでここまで飛躍するんだ!」


未知さんもくるみも相変わらず頭に?マークが立っている。


「男に絡まれてたのを俺が未知さんと勘違いして助けただけだろ」


「それだけで十分お付き合いする理由になるわ」


「藍原くん、私と勘違いってどういうことなの?」


「公園で絡まれてる女の子がいて後ろ姿が未知さんにそっくりだったから未知さんかと思って助けたらこの子だったんだよ」


「顔はたしかにお互い美少女だと思うけどそんなに似てるのかしら」


相変わらず謙遜を知らない未知さんだ。


「後ろ姿しか見てなかったんだよ」


俺はあかねちゃんと未知さんを後ろ向きにする。


「ほんとだー、そっくり!」

くるみが感嘆の声を上げる。


「な?間違えるだろ?」


「まあ、いいわ、櫻川先生は入部していただけるのかしら?」


「いいよー、藍原先輩と一緒なら!」


「じゃあ、入部届を出しておいてね。

 新入生の部活動は2週間後にスタートだからよろしくね。

 で、お待たせ。よく待っていてくれたわ、

 成長したわね、金子くん」


「はい!状況は理解していました。

 未知先輩に会いたくてこの学校に

 入りました。好きです!」


俺とくるみは数分前のこの男の子が未知さんに告白していたことを忘れていた。あかねちゃんのせいで忘れていた衝撃の告白を思い出した。

未知さんに告白するなんてなんで変わった男なんだと思ってしまう。



……………………


あとがき


いつもお読みいただきありがとうございます♪


また来ました。過酷な数日間………

PVがいつもの半分くらいに。゚(゚´Д`゚)゚。


さらに☆がおちてこない

☆欠病にかかりました( ͡° ͜ʖ ͡°)


☆よ、落ちてこい!

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