第392話 恨みを感謝に
公式自主企画「怖そうで怖くない少し怖いカクヨム百物語」の参加作品を読んでいると、超常的な恐怖よりも、人間が怖いよね系のお話が多い印象。やった側は大したことではないので忘れてしまっていても、やられた側はいつまでも恨みを覚えていたりするものです。
私も小さな人間なので、ふと昔の恨みを思い出しました。
中学受験のために通っていた塾での記憶なので、小学生のころのことです。社会の授業で、講師が「風林火山というのは誰の言葉か」と口頭で聞いてきました。
(はて、出典は『孫氏の兵法』なのだけど、著者は孫武だっけ孫臏だっけ?)
迷った末に「孫氏です」と答えた私に、講師は「ソンシってオウムか!」とツッコんで笑いを取っていました。時代が悪かったなー。
中学受験で孫武を問うことはありえないので、授業としては「武田信玄」と答えてほしかったのはわかります。でもそれなら「旗印にしたのは」と問うていただきたかったところ。
孫武という人物は史料が少なくて実在を疑われてますが、少なくとも『孫氏の兵法』が武田信玄よりははるかに古くから伝えられていることは間違いないのですから。
そんなことがあったなぁと思い出して風林火山を調べてみると、
続きとして陰と雷霆があることはずいぶん前から知っていましたが、そのさらに前後を読むといろいろ深いなぁと。
幸いにしてカクヨムでも『孫氏の兵法』を超訳しておられる方が複数おられたので、読んで勉強してみようと思います。
ウィキソースでちゃんとした書き下し文も見つけたから、そっちでも読めないことはないんですが、わかりやすいほうがいいよね(笑)
こうして新たな知識を得るきっかけになったと思えば、あの日講師に笑いの種にされたのも悪くありませんね。
というわけで、長い時間をかけてちっちゃな恨みを昇華できたお話でした。
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