第357話 鹿せんべいーガジェット
予告通り? 鹿の霊の話のリメイクでSARF×カクヨムコンテストに挑戦です。
メインターゲットが「帰省中の小学生」っぽいので、主人公も「冬に仕事に来ていたおっさん」から「夏休み、ラジオ体操に行く小学生」にチェンジ。
KACのお題「色」も兼ねるために幽霊鹿を白鹿にしてみたり。
ホラーとしての怖さは相変わらずかなり薄めなのが弱いですけど、意外と有効な投稿作が少ないのでしれっと通らないかな~なんて淡い期待を持ってます。
250作ぐらい参加はしてるのですけど、ざっと確認したところ半分ぐらいは応募要項を守ってないのですよ。
みんな、もうちょっと応募要項は読みましょうね、と自分の事を棚にあげて言っちゃいます(笑)
『奈良の鹿は神の御使い』
https://kakuyomu.jp/works/16818093074112131236
さて、リメイクした結果、前より前面に出てきた鹿せんべい。
買ったことがある方は結構おられると思うのですけど、食べたことがある方はおられるでしょうか?
私はあります。
中高の頃のある夏休み、先輩が「奈良土産のおすすめを調査するぞ」と言い出したのですね。
奈良のお土産って意外と難しいのです。
本当は柿の葉寿司という一押しがあるのですが、保存の工夫がされてるとはいえナマモノなので日持ちしなくてちょっと扱いづらい。
他はどこにでもありそうなクッキーとかになりがちで。
おたべや八つ橋持っていけば分かってもらえる京都、お好み焼きやタコ焼きなどの地域限定味が豊富な大阪と比べると今一つ特色に欠けるように思うわけです。
なので、文化祭の同人誌のネタにおすすめ奈良土産を取り上げようという先輩の心意気を称賛し、なおかつタダでお菓子が食べられるとワクワクした我々後輩らに、最初に先輩が差し出したのが鹿せんべいでした。
「まずはこれから」
「マジですか」
人間が食べるためのものでは無いし、お土産に買うものでも無いんですが……
槇原敬之の「ハトマメ」という歌では人情の味がすることになってますが、それはホームステイの学生がわざわざお土産で買ってきてくれたからであってね。
実物はというと……新聞紙の味でした。
クシャクシャしら触感と味の無さが紙っぽいのですね。
ネットの情報だと、米ぬかと小麦粉だけで出来てるので人間でも食べられるが衛生面からお勧めしない、とのこと。あと、出来立てだとほんのり甘いらしいです。私が食べたのは数日前のものですので、まあ……。
あ、その後普通にお土産系のお菓子は食べたので、先輩には感謝してますよ。
鹿せんべいとの落差で全部美味しかったです(笑)
今回書くにあたって調べ直したら、『鹿は鹿せんべいを売ってるおばさんたちを襲わない』というのはデマだそうで。おばさんたちも手を鳴らして音を出したり、口で言って聞かせたりという努力を積み重ねて鹿せんべいを鹿から守っているそうです。
この辺を創作に落とし込めないかなぁなんて考えてみたり。
観光のために使われるモンスターと、その観光で収益を得る商売人。モンスターに近づかれすぎても良くないが、嫌われてもいけない。そんな微妙な忌避手段が必要、と。
特殊な香料とかにして、それを入手するための冒険とかを組むのが良いかな?
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