第358話 奇妙なお使いーストーリー

 ある日の仕事終わり、妻からLineでメッセージが届いているのに気づきました。

 曰く、「Stub pork liverを買ってきて」

 ……『Stub pork liver』って何?

 Google翻訳に聞くと『豚のレバーの切り落とし』なんですが、添えられた写真がどう見てもレバーではないのです。

 白っぽい膜と、赤身が見えていて、内臓肉っぽいようなそうでもないような。

 丁度手近にいた後輩を捕まえて聞いてみたものの、よく分からないというお答え。


 「よく分かんないから、売り場に付いたらビデオ通話するね」と返答したら、もう一枚調理後の写真が送られてきました。なんとなくもつ鍋っぽい感じ。

 スーパーの内臓肉コーナーにいってビデオ通話開始。

「この辺かな?」「違う。ちょっと右上のを見せて」なんてやり取りを繰り返して目的のものを発見。

 結局、豚のハラミでした。切る前ってあんな形なのね……


 他にも『バナナの葉を買いたい』と言い出したので探してみたら、実は楽天市場で普通に売っていたり。まあ、やたら高いんですけどね。食べられない葉っぱに3枚4000円とか払えませんて。

 甘いおこわのようなお菓子を作るのに、包んで蒸すのに使いたいとのことだったので、クッキングペーパーで妥協してもらいました。

 タイにいた時だったら、総務の子に一声かけて工場に植えられてるバナナの木からもらってこれたのになー。


 とまあこんな感じで、外国人と暮らすと妙なおつかいを頼まれることがありますよというお話。相手の国と食文化が違うから、そういうものなのです。

 今はビデオ通話が使えるので、実物の映像見ながら「これか?」「違う!」が出来ますから、難易度はかなり下がってますけどね。

 言われた通りのものを買ってきたつもりだったけど、それじゃないぞと言われて不良在庫を抱えるところから始まる話、も一度書いてみようと思います。

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