第330話 お前の魂はどこにある―フレーズ
ふっと思い出したので、久々のフレーズネタ更新。
『上海退魔行』という古いマイナーなTPPGがありまして。
舞台設定がね、すごく良いんですよ。19世紀上海をベースにオカルト系を混ぜ、ちょっと誕生年をいじって19世紀後半~20世紀初頭の偉人たちをみんな上海に引っ張ってきてスーパー偉人大戦をやるという感じの。え、わからん?
沖田総司の部下の新撰組になって、少年探偵シャーロック・ホームズの助言を仰ぎ、東郷平八郎指揮下の大日本帝国のスパイと反目しつつも協力して、ビリー・ザ・キッドからもらった銀の弾丸で上海を闇の都にしようとするドラキュラ伯爵の陰謀を打ち砕くようなお話をやれるゲームです。
もっと訳が分からん? そういうもんです。
世界中の偉人をかなり脚色しながら連れてきていますが、史実ではどうなのかという事もちゃんと書き添えていてくれているので単純に読み物としても面白い。
かなり古いゲームなので今更プレイされる方もまずいるまいと判断して、無遠慮にルールブック付属シナリオのネタバレ。ネタバレしないとフレーズの説明が出来ないのですよ。
主人公らが一人の記憶喪失の男性を拾ったところからシナリオが始まります。
彼が誰なのかという事を調べるために色々な偉人にコンタクトする主人公たち。主人公たちにも偉人たちにも彼は
「あなたの魂はどこにある?」
という疑問をぶつけます。偉人たちの答えはちゃんと用意されていて、それぞれの個性が見えてきます。
そんな調査を続けていると、彼が魔術で生み出された存在である事と、吸血鬼が彼を狙っている事が分かってきます。
そして闇夜に彼を連れ去りにやってきたのが恐るべき吸血鬼、マクシミリアン・ロベスピエール!
フランス革命後に恐怖政治で多くの政敵をギロチンに送り込み、後に自らもギロチンで処刑された男。
彼はロベスピエールにも同じ質問を投げかけます。
「吸血鬼よ、お前の魂はどこにある」
「そんなものありはしない。断頭台に置いてきた」
この最後のやり取りのところに惚れて、当時所属していたサークルでプレイしようとしたのですが……
ゲームとしては恐ろしくプレイしにくいので断念。その後1回だけ別のところでプレイできましたが。
なんとか小説で使えないかなーと思ってはいるのですけど。
特にロベスピエールのセリフはギロチンとの関わりが深いロベスピエールだからこそ輝くので中々難しい。
魂のありかにこだわる主人公と、彼と途中まで道を共にしながら吸血鬼へと堕ちた元戦友が……とか妄想だけは進むのですけどね。
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