第318話 非実在聖人バレンタインーキャラクター
昨日に引き続き、バレンタインネタですよ。
……なんでバレンタインネタが4つもあるんでしょうね。私の人生にモテモテだった時代はないのですけど。
1つは別のエッセイで消費してるので、昨日~明日までバレンタインネタ3連続でお届けします。
別のエッセイは↓
『私のではない花束』
https://kakuyomu.jp/works/16818023211824920530
さてバレンタインデーは、3世紀半ばにローマ帝国の迫害によって殉教した聖ヴァレンタインの記念日だとされています。聖ヴァレンタイン司祭は、時のローマ皇帝が、
「兵士が家庭持ちだと、戦いを渋るよね。だから兵士は結婚禁止!」
と言い出したのに反対し、こっそり兵士の結婚式をやっていたのを見咎められて処刑されたのだとされています。
……されています。
ローマ帝国時代に迫害されて殉教した司祭、聖ヴァレンタインは確かにいたようなのですけど、その人が兵士の結婚式をやったかというと微妙な感じの様子。
上記の伝説自体が当時の記録には無いし、『現役兵士が結婚できない』というルール自体はローマが共和制だった時代からの伝統。一人の皇帝がいまさら思い付きでやるような事ではないはずなのです。
ちなみに、正式な結婚が出来ないだけで事実婚は現役時代からやっていたし、万一戦死した時でも事実婚のパートナーが不利益を被らないような法もあったとかで……もしかして、そこに関しては現代日本より手厚い?
話を戻すと、2月14日はローマにおいて家庭と結婚の女神ユーノーの祝日で、翌日からは豊年祈願のお祭り。人気のお祭りを禁止すると信徒が離れるので、つじつま合わせに殉教した聖ヴァレンタインの名前を引っ張ってきて祝日化したのであろう、と推測されているわけで。
こうしたことから、実在が疑われるとしてカトリックではバレンタインデーを公式の記念日から外しています。正教会にも同名の聖人がいるのですけどそもそも記憶日が7月でほぼ無関係。
現在でのバレンタインデーに宗教的なバックアップはないと言っていいでしょう。
そういうわけで、有名なのに実在しないとみられ、元ネタ人物の信仰心からは遠く離れてしまったと思われる聖ヴァレンタインさん。
創作的には面白そうなネタだと思うのですけど、あまり見ないような。
個人的には『聖☆お兄さん』でキムチ大好きキャラにされていたぐらいしか覚えがありません。
非実在青少年にひっかけて、非実在聖人とすると何だかいかがわしくていい感じな気がしませんかね?
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