第316話 ズレる記念日―ガジェット

 2月11日は建国記念の日ですね。

 地味に「記念日」ではなく「記念の日」なのは、日本が建国された日がはっきりしないからだそうで。

 実はクリスマスも同じなんですよね。

「イエス・キリストの誕生日がいつなのかは分からないけど、12月25日にイエス・キリストの誕生を祝うことにしよう」という取り決めでやっているのですよ、アレ。聖書を読んでもイエスの誕生日がいつかとは書いてないですし。


 もっとも、建国記念の日の方は元をたどれば戦前の紀元節。

 紀元節は日本書紀による神武天皇即位日。日本書紀の記述だと元日に即位しているのを、旧暦から新暦の換算して2月11日……なんですけど調べると最初は1月29日だったのを再計算させてるし、計算根拠が明確にされていないし、と政治的に都合のいい日を選んだ感じもあります。

 そういう意味では「建国記念の日」として「別にこの日に建国されたって分かってるわけじゃないんだけど、この日に祝うことにしよう」という曖昧さはちょうどいいのかもしれません。


 暦と言えば、数秘術という占いの一種がありまして。

 誕生日の数字を足し算して、出てきた数字によって運命が分かるというやつですね。

 ピタゴラスがこの数秘術の祖だ、なんて言われているのですが、ふと思ったのです。

 「今のグレゴリオ暦の誕生日で計算していいのか? ピタゴラスが生きてた当時の暦とは絶対違うのに」

 調べてみると実は数秘術が占いとして確立したのは20世紀、グレゴリオ暦がメインになってからだという事で……うーん、ピタゴラスの名を使うのは誇大広告ではないかい?


 いずれにせよ暦が変更されて記念日が変わってしまうというのは一つのネタとして使えそう。一年に一回封印の儀式を行う日があるのだけど、暦が変わって儀式をする日がズレてしまったので封印が解ける、とか……

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