第307話 鉄喰熊―モンスター
『パンダは笹しか食べない。つまり酸素も不要という事だ!』
速水螺旋人氏の『スパイの歩き方』というマンガのセリフです。
パンダのスパイが装備なしで宇宙遊泳した後に、敵にそれをツッコまれての返答。
あ、言うまでもないですがパンダはそもそも笹以外もも食べられますし、酸素は必要です。作中でもツッコんでます。
それどころか、かつてはパンダは鉄を食べると思われていたそうで。
もちろん本当のパンダは金属を食べたりはしません。そうした誤解が出来た理由としては、
・竹を食べるので、かつては竹で作られていた矢も食べる。
矢を食べる獣だという情報が、矢じりに鉄を使うのが一般化した後に
「矢を食べるって事は鉄を食べるってことか」と誤解されたという説
・人里に出た時に、調理なべ等に気を惹かれて遊んでいたのが金属好きと見られたという説
などの説があるそうで。
これを調べていた時に引っかかったのが、「獏=パンダ」説。
獏は夢を食べるという中国・日本の幻獣です。
実在する動物であるマレーバクから発生したと思っていたのですが、文献によっては獏の情報として『白黒』『熊に似ている』『竹を食べる』『鉄や銅を食べる』などが書かれるそうで。
マレーバクは白黒だけど、熊っぽくはないし。
つまり、白黒という体色のせいでパンダとマレーバクの情報が混じり、そこに色々誤解が積み重なって獏という幻獣になったと考えるのが正しそう。
幻獣の獏は中国では単純に厄払いだったものが、日本で夢を食べるに変質したそうです。
獏が夢食いになった結果、鉄や銅を食べる特性は無くなってしまったわけで。
そっちを再利用すると、『鉄製品を狙って冒険者を襲いに来る白黒ツートンカラーの熊型モンスター』になりますね。
D&Dシリーズでは金属製品を錆びさせるラスト・モンスターという生物がいて、攻撃力はほぼ無いにもかかわらず冒険者たちに恐れられています。高価な魔法の武器とかですらお構いなしですからね。
ラスト・モンスターは結構グロテスクな外見なのですけど、かわいいパンダ風の姿で同じポジション
というのは結構インパクトが大きそうな気がします。
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