第306話 改造ユニフォームーストーリー
私の勤務場所は工場ですので、会社では基本的にいつも作業服です。
2着分支給してもらってるのですが、片方のズボンでチャックが壊れてしまって、時々上手く閉まらない状態に。
申請すれば新しいのがもらえるのですけど、その書類を書くのが面倒だなぁと放置している間に、一手間くわえるとチャックを確実に閉めることが出来るテクを身につけてしまいました。
こうなると、別に新しいのをもらわなくても……いや、やっぱり申請書書こう。
私の怠惰ぶりはさておき、日本だと制服のある会社でも出退勤時は私服。出社後に更衣室で会社の制服に着替えるのが普通だと思います。
しかしタイだと、家から会社の制服を着て出勤して、そのまま帰るのが普通。会社帰りに飲み会とかでもそのまま。レストランとかで隣のテーブルを見ると、全員同じ制服を着て楽しそうにはしゃいでいたりします。最初に見た時はちょっとギョッとしました。
人によっては、転職する時も「制服がカッコいいかどうか」が一つのポイントになるとか。
日本人の感性ではちょっと無いなと思ってたのですが、会社で話していたところ、
「日本でも、学校の制服はそうだよね」
と言われました。
確かにその通りですね。 実は、学校制服にも似ているところがもう一つ。
たまに、改造する人がいるのです。
タイでは体にぴったりあったファッションの方が人気なのですけど、会社制服はそれほどサイズバリエーションは豊富ではないわけで。
そこに不満があったのか、ある社員が制服のズボンを自分の足にピッタリあうように改造してきたのですね。改造は自分でやったのではなく近所のショップでやってもらったとのこと。
「ネコさんもどうですか?」と言われたけど、おじさんが足にぴったりのズボンをはいてても誰も喜びませんよ。
確かに格好いいのだけど、会社としてはあくまで貸与している制服。その人が退職するときには回収して別の人に使ってもらうこともあるわけで、かってに改造されてしまうと困るのです。
その辺りを説明して元に戻してもらうと共に、全体に『制服改造禁止』を通達……ほんとに学校みたい(笑)
私自身は実は学校に制服を着て通ったことが無いのですが、制服がある学校ではその範囲でどうやって個性を出すかなんてのもあるそうで。
制限があるほど燃えるのは、江戸時代の頃の贅沢禁止令と同じですよね。
ちょっと検索しただけでも意外と色々な工夫が出てくるので、短編のネタには十分なりそう。
と思ったのですがカクヨム内で『制服 改造』で検索しても意外と出ないですね。
それほど被らずに書けるという意味では美味しいネタかも?
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