第304話 鳩の迷信ーキャラクター
赤ん坊も1歳半になると、色々な行動をとり始めます。
その中でもちょっと変わった行動をご紹介。
私が床に胡坐をかいて座った状態で、ビスケットなどのちょっと硬めのお菓子を娘にあげると、なぜか一旦、私の胡坐の中に入れるのです。
私が取り出して渡しなおしてもまた入れる。
「食べたくないのかな?」
と思ってしばらく放っておくと、自分で拾って食べ始めます。
ちなみに、私が立った状態でビスケットを渡すと、私の足の間にビスケットを持った手を突っ込み、一度ビスケットを落としてから拾って食べます。
なんとも不思議な儀式。
娘本人としては、こうしてから食べた方が美味しいという認識なのかな? と思っています。
もしかしたら似た現象なのかなと思うのが『スキナーの鳩』と言われるもの。
単純に時限性で餌が出るようセットした箱の中に鳩を入れてしばらく行動を観察していると、一羽ごとにそれぞれの特定の行動をとるようになったという実験をスキナーという心理学者が報告しているそうです。
特定の行動は箱の中を一回りするとか、羽をばたつかせるとかで、鳩一羽一羽違うもの。
おそらくは、
ある行動をしていた時に、たまたま餌が出る
→その行動を何度も繰り返して試していると、時々餌が出る
→その行動をとると餌が出てくるものだと認識し、その行動をとり続ける
という流れで特定行動をするのが習慣化されると推測されています。
大事なのは、特定行動をしているのに餌が出ない事が何度もあるのに、それでもその行動をやり続けるということ。
「これをやったら餌が出たことがある。今回は何故かたまたま餌は出なかったが、次は出るに違いない」とこんなことを鳩は考えているのかもしれません。
人間でもゲン担ぎとかで、因果関係はなさそうな行動を習慣にしている人はいます。
迷信扱いされてしまう事も多いですが、さほどデメリットの無い行動で本人のストレスが軽くなるならそれもあり。登場人物のクセとして設定しておくと、キャラに深みが増すかも?
逆にデメリットが出るところまで迷信を突き詰めてしまうというストーリーもあり。
『スキナーの鳩』現象の怖い所は、自身ではちゃんと分析できているつもりなことだと思うのです。
他者から指摘を受けても、思い込みが強すぎて「自分の分析が正しい」と意固地になると、無駄なことをしたうえに人間関係まで悪くなってしまうわけで……
自信も大事だけど、適度な自己不信も大事だと思うのですよね。
この考え自体がまた一つの迷信という可能性もあるのですが。
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