第295話 新聞のようなものーガジェット

 拙作『三つの秘密』は、別の長編である『魔女と聖女はすれ違う』のヒロインである聖女がメイン。

 割と天然に設定したので、主人公への恋心を自覚するまでに複数回のイベントがあった方が良いなーと思っていたのですね。そこにちょうどフェスが来たので書いてみた、と。

 夜会で主催を振って主人公とダンスしたことがゴシップになっている、ということを理解させて主人公向けの意識を強めるという流れを考えて、ゴシップを新聞で知ることにしたのですが……。ナーロッパ的異世界ファンタジーだと新聞が結構扱いにくい。


 新聞自体は、古代ローマ時代にユリウス・カエサルが始めた「アクタ・ディウルナ」が最初とされる。

 元老院の議事録がメインだけど、裁判の結果や一般市民の出生・死亡などのニュースも載っていたそうで、確かに新聞っぽい。形式は、文字を刻んだ板を貼りだすという掲示板っぽいものだったらしいですが。


 もうちょっと印刷物っぽいのだと、中国は唐代の「開元雑報」で、こちらは絹。値段が酷いことになりそうですが、皇族が地方の状況を把握するためにニュースを集めさせていたとのことなので、経費はさほど気にしなかったのかも?


 現代の新聞に直接つながるのは、グーテンベルクが活版印刷を実用化した後の16世紀欧州になってきます。


 そういうことで、拙作『三つの秘密』では、

 「新聞っぽいものはあるけど、羊皮紙に手で書き写し。十数枚作られて、皆で回し読みする」

 というスタイルにしてみました。


 『三つの秘密』

 https://kakuyomu.jp/works/16818023212068283368


 これでも、孤児院の子供たちでやってる設定なのでかなり盛ってる感じ。

 孤児が文字を読めるんかい、というあたりから厳しい人にはツッコまれるかもしれません。

 教会のバックアップがガッツリ入ってる孤児院なので、むしろ外の庶民の子より教育がしっかりしている、という脳内設定。

 本編のどこかに入れ込めるかな……。

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