第255話 シンクロニティーストーリー

 娘にあいうえおの絵本を読んでやっていた妻。

 ひらがなそれぞれに、それからはじまる言葉と絵が付いている絵本です。

 あ、だとアヒルとかアリとか。

 ただ、絵だけだと何を指しているのか分からないものは私に質問してきます。

「ながれぼしって何?」

「Shooting Starだよ」

「ああ。あなたは見たことある? こんな感じでいっぱい流れるやつ」

 シューシューと口で言いながら、指を動かします。多分、流星群の事を言いたいのでしょう。

「うん、子供の頃に見たよ」

「私も子供の頃に見た! きっと同じのだわ。別の場所で同じものを見ていたなんてロマンチックね」

 妻と私が本当に同じ流星群を見たのか、本当のところは分かりませんが、見たという事にします。だってその方がロマンチックだもの。


 新城カズマ氏の『ジェスターズギャラクシーシリーズ』でも似たようなシーンがあったなとふと思い出しました。スぺオペなので二人の距離は何百光年も離れているのですが、それでも「同時に」見つめあう二人。

 物理的なことを言うと「見えるわけないだろ」になっちゃいますが、そんな野暮なことは言いっこなし。


 愛し合う二人が互いに思い合い、同じことをするというのはやはり良いシーンになるわけで。

 拙作『魔女と聖女はすれ違う』でも入れていきたいものですね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る