第252話 超巨大祖霊ーモンスター


 最近は、不完全ながらも単語をしゃべっての意思表示ができるようになってきた娘。

「ごっ、ごっ」

 「ご」はリンゴ。だっこと区別がつかないのはご愛敬。

 リンゴの入ったタッパーを渡してあげると、ちゃんとタッパーを開けて一番大きなのをつかんで、ひとかじり。

 そして、かじった後のリンゴを私に差し出す娘。

「パパは食べないよ。娘ちゃんが食べて」というと、口を開けて「まだ噛んでるの」アピール。そして、またリンゴを私につきつけます。

 まあいいか、とそのリンゴは食べさせてもらい、頭をなでてやる私。

 すると、もう一個リンゴをつかみ、今度はかじらないまま差し出します。

「まだ食べてるよ」とこちらも口を開けてアピールしますが、お構いなし。口を閉じて抵抗しても、指で無理やりこじ開けてきます。

 これの繰り返しで、リンゴの8割ぐらいは娘でなく私の腹の中に納まります。


 この強制食べさせ、妻にはあまりやらないのですよね。

 なんでかなと話していたら、妻の考えとしては

「太らせたいんじゃない? 太ってる方が、だっこしてもらう時柔らかいから」

 流石にそこまで考えてはいないと思うんだけどなー。


 強制的に太らせると言えばガチョウやアヒルを太らせて得るフォアグラ。後、台湾で神豬という豚を太らせて大きさ比べをしてから生贄にするお祭りがあるそうで。

 神豬の方が儀式的な意味合いで面白そうかな、という気がします。

 中国系では豚は富の象徴。神豬をしっかり太らせるのは一族全体の繁栄を願う類感呪術としての意味があるわけです。

 そういうところを抜き出すと、例えばネイティブアメリカンのように特定の動物を祖霊として祭る一族が、その動物を飼って太らせ、別の一族と行き合った時に祖霊動物の大きさを比べて

「あ、うちのよりデカいって事はかなり裕福な連中だな」

みたいな値踏みをする文化もありそうです。

 超巨大な祖霊動物に乗って移動するとかでもよいかも。デカくすることで居住空間も増えるので、実用的な意味も出てきて二度おいしい。

 あとはどんな生物にするかですね。ベタにドラゴン? 玄武的な巨大な亀でもいいかもしれないです。

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