第240話 熱気球ーガジェット

 本日、11月27日は、タイではロイクラトンというお祭りです。

 水辺に灯篭を流すお祭りなので、今夜バンコクで川や水辺を見るとユラユラとロウソクの灯りが揺れるのがたくさん見えるはずです。

 日本人からすると精霊流しっぽいので故人追悼かなと思ってしまうのですが、川の女神に今年の収穫を感謝する収穫祭の一種ですね。日本も先週勤労感謝の日でしたが、アレも元は新嘗祭なので時期も目的も近い感じがします。


 この灯篭は先に書いたように普通は川に流すのですけど、北部のチェンマイ辺りでは空に飛ばします。コムローイといって、大きな紙袋を逆さにし、口のところに枠をつけ、枠の中央で燃料を燃やすのですね。燃料によって温まった空気が紙袋の中に集められて浮かび上がる、簡易の熱気球です。

 元々は中国の方のもので、かの三國志の諸葛孔明が開発したという伝承があるので孔明灯と呼ばれることもあるとか。

 何千ものコムローイが夜空に飛んでいく様はとても綺麗でロマンチック。「コムローイ祭り」で画像や動画検索すると結構引っ掛かりますから、気になる方は是非一度ご確認を。

 私は、まだ妻と出会っていなかった頃に姉と行ったのですけど、いつか妻とも行きたいなぁ。


 孔明が開発したという伝承の通りだと熱気球は3世紀にはあったわけで、中世欧州風のファンタジーでも使って何もおかしくはないわけです。

 コムローイのような小型のものでも、通信用としては使えますしね。夜間はコムローイ、昼は狼煙のような使い分けが考えられます。

 大きくすれば偵察とか人間の移動用とか。

 使い魔と組み合わせると、比較的小型でも偵察は出来るかも……鳥を使い魔にする方が楽か。

 人間の移動用は、ファンタジーだと空にも色々モンスターがいるから大変そうですけどね。飛行機と比べても気球部分が露骨かつサイズの大きな弱点になるわけで……


 逆に、飛行モンスターよけとしての使い方もあるかもしれません。

 ワイバーン除けに巨大な目玉を書いた熱気球をいくつか街を囲うように飛ばしている、なんてファンタジックじゃないですかね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る