第239話 こだわりツールーストーリー

 パワータンクというボールペンをご存知でしょうか?

 

 これを使い始めたのは、私が東北の工場で働いていたころ。

 倉庫からドラム缶をいくつも運び出し、リストにチェック……しようとしたところでボールペンがかすれて出ない、という事が何度もあったのです。

 そもそもボールペンの仕組み上、寒い環境だとか、書く紙の状況が悪いと上手く書けないのはよくある事。

 雪が舞う中の屋外作業なので、寒いし紙も雪で湿気るしと悪い条件が重なっていたのですね。

 余白でぐりぐりしてインクを出してから再トライ、とやってもまたダメだったり。


 そこでちょっと調べて行きついたのが加圧式のボールペン。

 インクを中から圧力で押すことで、悪い条件下でもちゃんとインクが出るようにするわけですね。

 元々圧力かけた軸を売っているタイプと、普通の軸に圧力をかけるタイプとあります。

 初期コストの安い前者を選んでいきついたのが、パワータンク。

 実際に使ってみると、インクを全量使い切るまで結構ハードに使い倒したのに一度もインクが切れることはありませんでした。


 そういうことで、以降仕事で使うボールペンはずっとパワータンクを愛用しています。

 今の仕事だと、別にそこまで寒くもないのですが、やはり書きたい時に必ず書けるという信頼感は大事。


 弱点としては、ちょっと太い事と、入手性に難があることですね。

 普通の文具店だと置いていないのですよ。ヨドバシとかビックカメラとかだと見つかります。あと、ホームセンターでたまに。


 日本でも入手しにくいので、タイに行く時もあらかじめ買いだめして持って行ったのです。

 でもタイにできたばかりのドンキホーテに行った時にしれっと置いてありまして。見つけた時は感激してしまいました。

 それまでドンキってちょっとゴミゴミしてる感じで好きではなかったのですけど、今やすっかりお気に入り。

 まぁ、タイのドンキって日本よりも高級路線売りなので、日本のドンキとはまたイメージが違うのですけどね。

 

 創作でも、こだわりのツールがあるキャラクターってちょっとプロっぽい感じがありますよね。

 腕のいい一匹狼なキャラが、たまたま同じツールを使っている別のキャラにだけちょっと態度が柔らかい、なんて展開もありかもしれません。

 武器にこだわるのは割とありそうなので、もっと細かい道具がいいですね。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る