第224話 仁義なき甘い戦いー創作論

 グリコのPejoy(プジョイ)というお菓子をご存じでしょうか。

 日本では中々見かけませんが、タイではどのスーパーにも置いてある人気もの。

 細いストロー状のプレッツェルの中にチョコレートが詰め込まれていて、ポッキーと違って最後までチョコの味がするし、手も汚れにくい素敵なお菓子です。


 ん、名前は違うけどそんなお菓子を知ってるぞと思った方、大正解。

 要するに、ロッテのトッポのコピー品です。


 そもそもチョコレートつきプレッツェルの世界でグリコとロッテには長い因縁があるわけで。 

 グリコのポッキーは1966年発売。それと同じ形をしたロッテのペペロは1983年発売。

 ただし、今日11月11日を販促に利用し始めたのは、ペペロの日が1994年ごろからなのに対してポッキー&プリッツの日は平成11年=1999年から。

 そして、ロッテのトッポは1994年発売。グリコのPejoy(プジョイ)は2003年発売。


 平たく言ってしまえばパクリあいなのですけれど、パクっただけでは終わらずに内外をひっくり返して新製品を生み出したロッテも、パクられただけで終わらずパクリ返したグリコも大したバイタリティだと思います。


 ペペロもPejoyも日本では基本的に売ってないですが、第三国だと関係なし。

 ポッキーとペペロとトッポとプジョイが何食わぬ顔で一つのスーパーのお菓子売り場に並びます。

 値段も味も似たり寄ったりなので、期間限定味の美味しそうなのを買っておりました。


 流石にここまで丸パクリなのは、創作では論外。

 「成功者を真似ていく」のは皆やっている事ですが、程度の制御が大切です。

 私も書き始めの頃、実質るろ剣読み切り版のほぼパクリな内容を書いてしまったという苦い経験があったり……

 一応、その時はそれなりに考えて書いていたつもりだったんですけどね。

 オチのところはオリジナルだったことを思い出したので、最初の方にもうちょっとオリジナルなところを出しておくべきだったんでしょう。

 読んでる最中に一旦「パクリっぽいなー」と思われると、取り返しがつきにくいので。


 そういえば、最近出した『死者の日の朝に』でも、最初はファンタジーと分からなかったという声が……成長してないな、私。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る