第208話 からかさお化けは右の足ーモンスター考察
うちにある本の中に、公文式の数の数え方の本があります。
世の中のいろんなものの助数詞、要するに本なら一冊二冊、皿なら一枚二枚というようなのが紹介されている本ですね。
元々は妻の日本語学習のために買ったのですが、今はもっぱら娘が見て楽しむ用になってます。
それを娘と一緒にめくっていた時に、唐傘お化けが目に入りました。
唐傘お化けは言うまでもなく、和傘の柄が足になった一つ目一本足の妖怪です。
「そういや、唐傘お化けの足って右と左のどっちだ……?」
その本ではデフォルメされていて左右が分からない状況。
Wikipediaのからかさ小僧のページを見る限り、右足が多い感じ。
かの水木しげるロードの像も右足でデザインされています。
ただ、アニメ版鬼太郎では右足デザインの時も左足デザインの時もあるとのことで……
Google画像検索だと、どちらかわからないデフォルメされた絵が一番多い感じですね。
からかさお化け自体は比較的伝承が少ないのでどっちかが決まっているわけではない様子。
ただ、一本足妖怪は天目一箇神や一本だたらなど製鉄関連の影響が見られます。
たたら場で働く人々は火の色を見極め続けた片目が見えなくなり、ふいごを踏み続けた片足がなえてしまい、老いると隻眼片足になってしまうので、それに影響されているのだという説ですね。
ギリシャ神話のサイクロプスも、眼に関しては同じ理由だという説があります。
ふいごってどっちで踏むのかなぁと調べてみると、Wikipediaのたたら製鉄のページで使われている『日本山海名物図会』の挿絵も『もののけ姫』のアシタカがたたら踏んでるシーンも左足。
人間、利き手ほど極端ではないですが利き足も右の人が多め。逆の左足の方が体重を乗せやすいので、力を込めて踏むたたらは左足を使うのが標準と考えられます。
たたらを踏む方の足が不自由になったとするならば、残るのは右足。
また、陰陽思想的には左が陽の説が強い(右が陽とする人もいるけど)ので、陰に寄りがちな妖怪としては右足で上手く合う気がします。
ということで、唐傘お化けは右足が標準で良いんじゃないかと思います。
ついでに考察すると、目は製鉄関連説だと、利き目で火の色を見るので右目が見えなくなって左目が残るのかなと。
目は身体の中央に持ってこられた時点で左右対称なデザインにされている事が多いので、あまり意味はないですけど。
ただ、陰陽思想から引っ張って左足=陽=男、右足=陰=女と雌雄に分かれている設定でも良いかも?
ついつい左右で合体させたくなっちゃいそうですが……
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