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第201話 誰も帰ることは出来ないー世界設定
♪走れ 更衣室へ 定刻帰宅団
うなれ タイムカード 定刻帰宅団
ここ最近残業が多かったのですが、今日は何とか定時ちょいすぎの帰宅です。
家に帰るというのは大事なこと。
昔、『ホビットの冒険』と『指輪物語』を比較した評論で、主人公が家に帰れなくなる『指輪物語』は児童向けとしては異色だというような分析を読んだことを記憶しています。
本編は、サムがフロドを見送った後ホビット庄の自宅に戻ってきて終わっていますが、彼もまた最終的にはフロドを追って西の国へ船出する未来が決まってますし。
そんな評論を読んだ頃に、『唐突に世界中の人が家に帰れなくなった世界』はどうだろうと考えてみたことがあります。
仕事や学校に行っていた人も皆帰れず、みんなホテルとかネカフェとかで夜を明かして、翌日出社してくるのかな。職場や学校に住み着く人も出てくるか?
しかし、住んでしまうとそこが「家」なので『会社に寝泊まりしていた営業マンが外回りに出た後、会社に帰れなくなる』みたいな事態が。
他のところが『家』になると、それ以前の自宅に帰ることが出来るようになるわけですが、戻ってもそこに家族がいるわけでもなく。下手すれば赤の他人が『家』として使っていて様変わりしてしまっていたり。
戻れなくなるのを嫌がって底的に外出を拒否する人もいれば、積極的に定住しないライフスタイルを選ぶ人もいるでしょう。
十年もすれば、定住しないのが普通と感じる若者たちが家にこもる高齢者を馬鹿にする時代が来るのかな、なんてところまで考えたりもして。
ただ、スマホがそれほど一般的でなかった頃の思考なんですよね、これ。
今なら割と普通に生活して行けてしまうのかも。
それぞれの職場や学校に行った家族が、SNSで連絡取りあって、適当なファミレスで落ち合う、なんてのも日常の一部でやれてしまう時代。物理的な場所としての『家』が無くても、もしかしてそこまで困らない? なんて考えてもみたり。
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