第199話 魔法動画ーガジェット

 妻と娘の行動半径を広げるために、チャイルドシート付電動自転車の購入を決断。

 現在の住居の周りは徒歩でもそこそこお店があるのですけれど、徒歩だとちょっと辛い距離に大きな公園とかベビー用品店があるのです。

 ゆえに、結構大きな出費ですが使える施設が増えるなら良しという思考。


 赤ちゃんを自転車に乗せるとなると心配なのが安全面。ヘルメットはしっかりかぶせたい。しかし、うちの娘は頭に何かついているのを、結構嫌がるのです。

 歩き始めた時に買った転倒防止の柔らかヘルメットは結局ほぼ未使用。

 妻が可愛いヘアバンドを買っても、最初の頃はすぐに自分で外していました。これは、つけた後に「かわいいねー。ほら、鏡で見てみよう」とご機嫌取ることでかなり改善。それでも時間がたつといつの間にか外してますが。

 こういう状況なので、自転車用ヘルメットも中々難しいだろうなぁと覚悟はしていました。

 

 なるべく可愛いのを買って、自転車納品待ちの間に慣れさせる作戦だったのですが、鏡作戦も通じず、嫌がって泣き叫ぶ始末。お気に入りのぬいぐるみにかぶせてみたりもしたのですが、ダメ。

 困ったなと思ったところで妻から出てきたアイデアが

「子供にヘルメットかぶろうって呼びかける歌はない?」

 まだ理解できないんじゃないかなと思いつつも、動画サイトで検索してトップに出てきたのを一緒に視聴。自転車とかキックボードとかでこけたら痛いけど、キャプテン・ヘルメットがいれば大丈夫だよというような内容でした。動画をみながら、「ほら、キャプテン・ヘルメットすごいねー」とか声かけ。


 結果、視聴後にはヘルメットをかぶせても全く嫌がらなくなりました。

 その後は自分でヘルメットを叩いて痛くない事を確認したり、むしろ自分からヘルメットかぶりたいとねだったり。

 1歳児の理解力ってすごい。そして、キャプテン・ヘルメットありがとう。


 ということで、今日のネタは動画による教育です。

 実のところ、職場で機械の使い方を若い子に教育する立場になる事も多かったので、動画でのマニュアルというのも考えたことはあるのですよね。しかし、紙のマニュアルと比べると作成難易度が高く、作成後の変更も難しいのでほぼ断念してますが。

 一応、顧客向けの簡単な製品使用法だけ動画マニュアルを作成して渡したことがあります。インド企業のローカル作業者向けなので、文字で書いても分からんと言われりゃ納得するしかない。


 文書での説明だと文字が読めないと無理ですが、動画なら言葉が分からなくてもある程度通用するわけで、異文化との接触ネタの作品で、相手の技術を丸丸コピーしてくるときとかには使えるかなと思います。

 接触した異世界の魔法使いに魔法を使うところをビデオに撮らせてもらって、メカニズムは全く分からないけれど動作を全コピーしてみたら同じ魔法が使えた、というような感じ。

 後々メカニズムまで分かってから見直してみたら、まるで意味のない動作や言葉が含まれてたって落語の『本膳』みたいなオチも入れておきたいですね。

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