第165話 徳の引継ぎーストーリー
赤ちゃんというのは親のやってることは何でも真似したがるわけで。
最近娘が真似をするようになったのが、お祈り。
妻は敬虔な仏教徒なのでしばしばお祈りをしているわけですが、おんなじように手を合わせてお辞儀をするのですね。可愛い。
むしろ親の煩悩が増してるんじゃないかという気もしますが、可愛いものは可愛いので仕方が無いですね。
知ってる方も多いかと思いますが、タイは仏教が盛んです。
人口の95%が仏教徒で、男性は一生のうちに一度は出家するのが当然で、空港での搭乗順でも電車の優先席でも、障碍者や妊婦に並んでお坊さんが優先対象になるぐらい。
妻もそうした仏教徒なので、タイにいる間はちょくちょく一緒にお寺にも行きました。
私自身も一応仏教徒ですし、仏教的には徳も積めますしね。
そういえば、西遊記の三蔵法師って「高僧の肝を食べると長生きできる」って理由でちょくちょく妖怪に食べられかけてるのですが……なんで高僧の肝で妖怪が長生きできるんでしょうね。
仏教的な徳って肉体に溜まるものでは無いですし、徳を摂取して妖怪が長生きする仕組みもよく分からず。
まあ、歴史的には様々な肝が生薬として使われていましたから、人間の肝を食べようとする妖怪の話は結構あります。その延長として特殊な人間のものならもっと効果があるだろうという発想は分からなくもない。
徳うんぬんを外して一般化すると、食べることで強くなるってのは山ほどあるシチュエーションなので、逆に徳の引継ぎの方を考えてみるべきか。
教団の各メンバーが集めた徳を教祖様に引き継ぐことで、教祖様を最強の神格に押し上げようという計画。
「いやいや、徳ってそういうもんじゃないでしょ」というところが、逆に怪しい新興宗教っぽくて良いかもです。
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