第160話 リスクとリターンーキャラ

 先日、自転車用ヘルメットがあまり着用されていないって書いたのですが、本日の出勤中にはなんと3人もヘルメットをかぶった自転車ライダーに出会いました。意外といるものなのかも。

 そのうち1人は、それらしいジャージにグローブまで装備した『趣味は自転車です』ってタイプ。ヘルメットも流線型で穴がいっぱい空いてるスタイリッシュなやつです。

 一方、私が着けているのは野球帽を一回り大きくしたような、決して格好良くはないタイプ。ゆえに、カッコいいのを被っている人を見ると「ああいうのを買った方が良かったかなー」という後悔がチラリと頭をよぎったりします。

 でも一応、キャップ型を選んだ理由はちゃんとあるのです。

 価格が安いこと、乗ってる自転車がママチャリなのでキャップ型のほうがしっくりくること、そして、防犯。


 ヘルメットを買う時に気になっていたのが、どう防犯対策するか。

 自転車に乗っていない時は持ち運ぶのが最上ですが、出先ではどうにもかさばる。というか、マンション8階の自室まで毎日持ち運ぶことですらめんどくさい。

 ヘルメット用のワイヤーロックとかも売ってますが、毎回ロックするのも面倒。というかこういうワイヤーロックもそこそこお値段がするので……。

 ということで、最終的に心理的防犯を選んだのです。つまり、

「あえてダサくて安そうなのを選んでおけば、盗みがばれるリスク<ヘルメットを盗むことによるリターンになるので、誰も盗ろうと思うまい」

 という消極策。脱いだヘルメットは自転車の前かごに放り込んでおくだけ。

 半年ほど経ちますが、今のところ盗まれていないのは防犯が上手く行っているのか、単に運が良いのか。

 そもそもほとんどが家と職場の行き来で、たまにスーパーに停めるぐらいですから、盗むような人の目につかないって要因もあると思います。駅近の駐輪場とかに停める人は真似しない方が良いかも。


 リスクとリターンの比較は意識せずとも多くの人がしていること。

 創作においても、キッチリ計算させれば冷静・理知的なイメージのキャラになりますね。

 逆に、あえて崩させることで感情的だったりどこか狂った人物だと印象付けることも出来ます。


 『HUNTER×HUNTER』でその両方+αを同時にやっているシーンがあって、流石に上手いなとうならされたことがあります。

 リスクとリターンを計算し、意味がある時しか嘘をつかないキルア。

 彼からみると、その計算をせずに意味がない嘘もつくヒソカは理解できない狂った存在にみえる、というシーン。

 さらに、そういう人間もいるんだと師匠役であるビスケに解説させることで、ビスケとキルアの人生経験差まで見せています。


 私も、こういうシーンをサラッと書けるように修練していかないと……

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