第147話 その果物に、何かける?―ガジェット

 私の父は元々庭いじりが好きなタイプだったのですが、仕事を引退した昨年から本腰を入れだしまして。

 結果として、夏になるとスイカを送ってきます。

 小玉ながら甘みが強く、スイカ好きの妻も納得のお味。

 残念ながら、娘はあまり食べてくれませんでしたが……来年に期待。


 ところで、スイカに塩をかけて食べる人もいるんだよと妻に話すと、変な顔をされました。

 タイに似たようなのはあるんですけどね。

 タイだと、屋台やスーパーでカットフルーツを買うと、粉状の調味料をつけてくれます。

 プリック・グルアといって、塩・砂糖・唐辛子を混ぜたもの。

 日本人には賛否両論ですが、個人的には割と好きです。

 タイだとライチに塩もありますね。キリンから売ってるソルティライチのやつ。

 ソルティライチは妻もお気に入りなんですが……


 そして、そんな妻が最近作ったのがナムパーワンという調味料。

 グリーンマンゴーと言ってまだ未熟な酸っぱいマンゴーにつけて食べるものとのこと。

 ナムパーが魚醤つまりナンプラーで、ワンが甘い。

 砂糖とナンプラーに魚粉とエビを混ぜて煮たペースト状の調味料です。

 タイ人ママ友にあげたら、「ご飯にかけて食べると美味しい!」と言われたとか。

 そりゃ、味は大体「干しエビとかつお節の佃煮」だもの。ご飯に合わないわけがない。

 たしかにグリーンマンゴーやその他の酸味の強いフルーツにつけて食べると美味しいのですが、なんかフルーツを食べている気分とは違うのですよね。


 そもそも、果物に調味料をかける文化があまり日本には無いような気がしますね。

 果物を使ったスイーツ、だとスイーツの方に重きが置かれる感じなので少し違うし。

 スイカに塩、イチゴに砂糖・牛乳・練乳ぐらい?

 そういえば昔はグレープフルーツに砂糖かけてたっけ。

 

 逆に言えば、果物に何かをかけて食べているシーンを書くことで異文化感、ひいては異世界感を醸し出すことも可能! と無理やり創作に繋げてみます。

 現代日本だと精製されきった塩の方が多いわけですが、本来は産地によって不純物が色々と違うので味の違いがあるはず。

 ある山で取れた果物と、特定の海の水から作った塩、さらには遥か遠方の香辛料のマリアージュが至高……なんて記述をかつての美食家が残しており、それの再現に駆り出されるなんて話もありかなと。

 ……そのうちレオン(偽)君にやらせよう、うん。

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