第146話 長文タイトルが流行りなので、タイトルに全部書いちゃうことにした。ータイトル

「最近のラノベは長文タイトルが多すぎる」的なお叱りの言葉をちょくちょく目にします。

 しかし、『最近』というところが正しいとは言えないのです。

 なにせ、今をさかのぼる事300年以上前、1719年に以下のタイトルの小説が出版されているので。


「自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述」

(The Life and Strange Surprizing Adventures of Robinson Crusoe, of York, Mariner:Who lived Eight and Twenty Years, all alone in an un‐inhabited Island on the Coast of America, near the Mouth of the Great River of Oroonoque;Having been cast on Shore by Shipwreck, wherein all the Men perished but himself. With An Account how he was at last as strangely deliver’d by Pyrates)


 現在では『ロビンソン・クルーソー』として知られる、ダニエル・デフォーの小説の初版タイトルです。これで日本語だと127字ありますから、20字や30字のタイトルで長い長いと言ってる場合ではなかったのですね。

 とはいえ、2021年時点で既に130字オーバーのタイトルがあったようなので、長くなる傾向があることは間違いないのですが。


 何故長くなったかというと、『なろう等の投稿サイトの隆盛に伴い、タイトルしか読まれない傾向が出てきたため、目を引くために長くなった』という説が強いですね。

 もう一つ、作者として『あんまり考えなくていい』というのもあると思います。

 短くて格好のいいタイトルを考えるのって結構センスがいると思うのですよ。

 出来る人にとっては何でもないんでしょうけど、私のような人間だと、書きあがった後も投稿寸前までタイトルがしっくりこなくて悩み続けるなんてのがよくあるわけで。


 そこで逆手にとって、タイトルだけで全部書いてしまうのはどうだろうと。

 なお、カクヨムの作品タイトルは100字が限度だそうで。……流石に字数制限が厳しい。

 ならば、各話タイトルも含めれば?

 普通は、「第1話 〇〇〇〇」と書いてあるところに小説本文を書いてしまうわけですね。

 最新話を追加していけば行数は無限に増やせますから、字数制限は事実上なし。スマホで読んだときに改行されないよう、20字ぐらいに抑えておく必要はありますが。

 しかも、この方法だと通常2クリックしないと読めない小説本文に、1クリックで到達できます。わーお、画期的(棒読み)


 ……というようにフザけてる作品だなと思わせつつ、実はちゃんとした本文もあって、各話タイトルともきちんとリンクしているという、あいうえお作文的な作品を書いてみたいなぁ、なんて妄想しつつ出勤してました。


 制限が多い割には中身が大したことない話になりそうなので、本当にやるかどうかは不明ですが。

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