第106話 完璧ゆえに出番のないーキャラ
現実では中々神様に助けてもらえるということはありません。
信心深い人ならまた別の考え方があるのだろうけど、少なくとも私にとっては。
創作世界だと、神様がもうちょっと身近なことも多いです。
が、そういう世界だと神様自体がそこまで有能で無い事もしばしば。
流行りの異世界転生なんて『神様自身のミスで主人公が死んでしまったのでお詫びとして』ってのが一つのパターンだったりします。
もっと完璧な神様はいないんかい、と思うかもしれませんが、それに答える理屈を一つ聞いたことがあります。
世界を作った神様が完璧であるなら、一々奇跡だとか啓示だとかで介入する必要がない。
神が何を目的にこの世界を作ったのかは人間には分からないが、世界を作った時点で神の目的が自動的に達成されるように作ることができるはずだからだ、と。
分かりにくい?
要するに、世界を超巨大ドミノ倒しみたいなものだと考えるわけですね。作成者である神様は、倒し終わった後にどんな絵が出来るかを全部考え抜いてドミノ牌を並べ、最初の一つを倒した。だから、後は全部倒れ終わるのを眺めていればいいだけ。途中で「あ、ここが上手く倒れないや」と手を出さなきゃいけないとしたら、それは作成者がちゃんと考えることができていなかったのだということ。
奇跡とかを起こしてあがめてもらう事自体が目的の場合なら、奇跡起こすのもありなんじゃない、というツッコミは思いつきますね。奇跡起こさなくても人間が神をあがめるように作ることは出来るはずですけど、「特に何もしてないのにあがめられるなんてリアリティが無いよな」なんて思ってしまったのかも。
いずれにせよ、物語に出てくる神様はたいてい完璧にほど遠いのも仕方ないって事です。
私が普段使いしている異世界も、完璧ではない神様たちが世界を維持するだけで精一杯になってる設定。
『兎とタンポポ』の兎さんもそうした神様の一人です。
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