第87話 異世界常識ー創作論
昨日は良い天気でした。
と書くと、多くの方は「あ、晴れだったんだな」と理解されると思います。まぁ、実際そうだったんですが。
ただし、タイ人としてはそうでもないようで。何せ年中暑い国ですから、直射日光のない少し曇ったぐらいが「良い天気」であって、晴れすぎてるのはそれはそれで良くないとなるのです。
こういう違いは他にも。例えば、日本だと家屋は日当たりが良くなる南向きが良いとされますが、タイでは向きは気にされません。
何故南向きが良いのかを説明した私に対して妻曰く、「太陽は、お昼だと真上からさすものでしょう?」と。
確かにそうなんですよね。東京で概ね北緯35度、沖縄でも北緯25度ぐらいの日本と違い、バンコクの緯度は14度。今ぐらいの季節ですと、昼の12時には太陽が南ではなく北からさします。
現実でも国が違えばこのように常識は変わってくるもの。異世界ならさらなり、と思いはするのですが、これが中々難しい。
作者も読者も現実世界の人間なので当然現実世界の常識に引っ張られてます。異世界だから常識も違うんだと書いても、読者がそれを受け止めきれなかったり、作者の方がある場面では異世界常識、ある場面では現実世界常識で書いてしまったり。
でも、あまりに現実世界の常識を異世界で振り回されるのも妙な気分になるものです。
ある作品で、現実世界からの転生者が現地人に現実世界の常識を現地の常識として語っていたのを読んだ時は、果たしてどっちが異世界出身なのかとツッコミたくなりました。
その作者さんの設定ではそれで良いんでしょうけど、私の好みではないので、頑張って異世界常識を書けるようになりたいですね。
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