第69話 ゴムと硫黄ーガジェット

 昨日は妻の自転車を修理しました。

 といっても、空気の減りが妙に早いというからチェックしたら、虫ゴムが擦り切れていたので交換して終了。


 虫ゴムの作りを考えると、ゴムの特性をよく活かしてるなと感心させられます。まぁ、だからこそ劣化するとダメになるんですが、そこはそれ。


 我々が普通にゴムと言って使っているものができたのは19世紀頃なので、中世ヨーロッパ風ファンタジーにはちょっと出しにくい……という感じはあるのですが、天然ゴム自体はその名の通り天然物。大昔から存在します。

 これに硫黄を混ぜて加熱すると無駄にベトベトせずに熱にも強いゴムができて使いやすくなったというのが19世紀の話。

 化学的には加硫と呼ばれる処理になります。


 硫黄は錬金術における三原質の一つで土と火の元素に対応するもの。魔法触媒的にも使われていました。という事は、天然ゴムがもっと早くにヨーロッパに流入していれば、史実より何百年も早く錬金術師たちが加硫を見つけ出す事も不可能ではない、はず。

 という事で、今度の作品に小ネタとして仕込んどこうと思います。……字数次第で削っちゃうけど。

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