第55話 夜空絹-ガジェット

 ウィッチクエストというTRPGがあります。

 数あるシステムの中でもかなりの個性派。プレイヤーは魔女とその猫になり、いろんな人の困り事を解決するのが基本的なスタンス。

 結構古いルールなので、最近の魔法少女の様に戦ったりはしません。戦闘ルールは猫の分がオプションとして用意されてる程度ですし。


 そんなTRPGのルールブックに、アイテムとしてナイトシルクという布が記されています。といっても、他の布地と一緒に名前と値段が記されている程度。どんなビジュアルなのかもわからない。

 しかし、その名は何故か妙に私の頭に残ったのです。


 夜の星空がそのまま映しとられた様な絹なのだろう、というところまでは容易に想像できました。

 ではどの様にして星空を写すのか。そこでふと出てきたのがドラえもん。秘密道具そのものではないのですが、24時間連続で光を当てないと感光しないカメラというのが出てきて、それを感光させる方法が(季節が秋だったので)どこでもドアで南極に行くというものだったんですね。要は、白夜を使えばいいと。

 これの逆をやろうという事で、極夜になるような北の果てで冬至に近い時期だけ作る事ができるという設定になりました。


 ここまで設定ができたので、これを作る様を追う物語を描こう、と思って冒頭までは書いていたのですが、主人公のキャラが上手く定まらず中止。

 その後、星空に似ているなら類感呪術に使えるだろうという設定を生やしてイベント向けに一作執筆。そこからの派生が、今連載中の『兎とタンポポ』になります。


https://kakuyomu.jp/works/16817330656326847509


 『兎とタンポポ』は春のお話なので、極夜にはならず24時間夜というのはできないのですが、それをどうやってクリアするのか。

 今日・明日の更新でそれが明かされます。

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